カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

2014年12月

外こもりはやがてゆで蛙になる その2

今のオーストラリアの物価がいかに高いかは現地に居住している日本人ブロガーの記事を見れば、実態がよく分かります。


とにかく物価高で生活しづらいようです。


約20年前のバブルの頃は日本の物価がすごく高く、逆にオーストラリアの物価はすごく安かったようです。


しかし、その後オーストラリアでは「インフレ」が進み、逆に日本では「デフレ」が進んだ結果、いつの間にかその立場は逆転してしまいました。


20年後の東南アジア諸国はどうなっているでしょうか?


オーストラリアのようなことはないとしても、今のままの物価水準とは到底思えません。


タイで生活が苦しくなったら、カンボジアやラオスに行くのでしょうか?


ではカンボジアやラオスが経済成長を遂げたら、その後はどこにいけばいいのでしょうか?


そう考えると、享楽的な外こもりよりもストイックな新興国株式投資の方が断然将来性があると思います。


たとえ日本でワープアであっても手稼ぎタイ人になったつもりで、奴隷のように必死で働いてタイ企業の株を買って買いまくる。


タイには一度も行ったことがないけれど、タイ企業の株式を大量に持っている(笑)


全然ありだと思います。手稼ぎ労働者は頻繁に本国に帰ったりしません。そんなお金があったら送金します。


同じようにタイに行くお金があるのなら、タイ企業の株を買う。これが我々の場合の「送金」です。


時が流れ、タイ企業の株式とバーツの価値が上昇したときには配当金だけで、タイ旅行にいけるようになっている。


いつか新興国から追い出されてしまう外こもりよりはこちらの方がずっと楽しそうだと思うのは私だけでしょうか?


そもそもタイってもう既にそれほど新興国ではありません。


外こもりはやがてゆで蛙になると私は思います。

外こもりはやがてゆで蛙になる その1

通貨価値の高い日本で働いたお金を持って、タイなどの物価水準の安い国に行って、のんびり暮らす。


数年前に始めて聞いた「外こもり」という言葉。


期せずして中国で似たようなことをやっていた経験は過去の記事に書きました。


東アジア諸国の所得と生活物価の上昇は激しいですが、中でも中国のそれが著しいように感じます。


各国の昔と最近の『地球の歩き方』を見比べた素朴な印象です。


(旅行ではなく投資目的で『地球の歩き方』を買い集めてます)


さて、「外こもり」という造語自体は近年できたものですけれど、外こもりという現象は実は昔からありました。


定年退職者が退職金を持って物価の安い海外に住宅を買い、年金で生活するというパターンが大昔から既にあったようです。


もちろん今のほうが現象としては盛んだとは思いますが。


では、大昔の外こもりの先駆者の行き先はどこだったと思いますか?


なんとオーストラリア。


信じられますか?今は超物価高のあのオーストラリアですよ。

株式の価値を知らない人たち その2

みんなおとなしくもらった株式引換券を持っていたかというとそんなことにはなりませんでした。


なんとロシア国民の間でこのバウチャーの壮絶な転売が始まりました。


なぜなら、ロシア国民のほとんどがバウチャーや株式の意味、将来の価値を理解できなかったので、二束三文でも売却できると分かると、簡単に手放してしまう人々が続出したのです。


共産主義社会でしか生活したことなく、資本主義社会の知識がまるでないのだから、当然といえば当然かもしれません。


さらに悪いことには当時2000%超のインフレが進んでいたため、大半の国民が今日の食料やウォッカを得るためにバウチャーを売り払ってしまいました。


一方、バウチャーの将来的価値を理解できた極少数の人間がこれを買い占め、後のオリガルヒと呼ばれる新興財閥に成長したそうです。


ロシアの格差社会はこのときに定まれり。


さて、生活の苦しいときこそ、資産価値のあるものは破格値になります。


邱永漢さんの本を読むと、戦後食料品の高いときは土地などは本当に二束三文で放置されていたと書いてあります。


また終戦後にはハイパーインフレがあり、預金のほとんどは無価値になったとも語っています。


つまりロシアだけが特殊なのではなく、日本だって昔には似たような経験をしてきているのです。


少し長い時間が経って過去のことになると、まるでそんなことなかったかのように誰もそれを語る人はいなくなります。


しかし、それは過去に実際起こったことであり、また今後も起こることなのです。


今、新興国の人々に株式を買うような経済的余裕のある人々、またその本質的価値を正確に理解できている人は極少数でしょう。


世界でも有数の価値の高い日本円を持ち、経済成長もバブルも経験してきている私たちにとっては、ほとんど未開拓の沃地が放置されているといっても過言ではありません。

株式の価値を知らない人たち その1

新興国の人々です。

ロシア・ショック
大前 研一
講談社
2008-11-11





今回ロシア株を買う前に読んだ本です。


大前さんの本はいろいろと毀誉褒貶が激しいですが、多くの本が中古だと1円になってますし、参考になるところもかなりあります。


この本の中で印象に残ったのは、ロシアでは昔株式を無料で国民に配ったことがあるという話でした。


そんなことがロシアで行われていたとは全然知りませんでした。


ことの次第は以下のようなものです。


1992年、ロシア政府は国有資産(国営企業)を平等に分配する目的で、12歳以上の国民に対して、バウチャーと呼ばれる株式引換券を配布しました。


これによって、すべての国民は国営企業の民営化に際して、1万ルーブル相当の株式を受け取る権利を得ました。


これを簡単に言うと、すべての国民に株式がタダで配られたことになります。


さて、その後、濡れ手に粟で株式を受け取ったロシア国民の間でどういうことが起こったのか?

ロシア株に初上陸 その2

国によって有望そうな事業分野というのはかなり異なりますが、ロシアの場合、エネルギー関連の企業が強そうです。


とりあえず今回買った銘柄は以下の通り。


ズベルバンク (Sberbank)。ロシア最大の商業銀行。日本におけるゆうちょ銀行のようなものではないかと勝手にイメージしました。


モバイルテレシステムズ (Mobile Telesys)。モバイル・固定回線などの通信事業業者。日本におけるNTTドコモのようなものではないかとほのかに妄想しました。


モスエネルゴ ( Mosenergo OAO ) モスクワ市とモスクワ地域における電力会社。日本における東京電力のようなものではないかと適当に解釈しました。


私の場合、普通は電力会社の株などまず買わないのですが、チャートを見るとものすごい逆張りになりそうにも見えたので買ってみました。


ガスプロム( Gazprom OAO )天然ガスの生産で世界最大の企業。自分が全く知らなかっただけで超メジャーな企業のようです。

            
カマズ( Kamaz )トラック、トレーラーなどの製造メーカー。子会社でバスの製造も行っています。芋っぽくてダサいトラックはまさにロシアといった感じがあります。


川にほとんど埋まった状態で疾走しているカマズのトラックの動画を見ましたが、運転手は無事なのでしょうか?


さて、ネットで検索してみると、ルーブル暴落に買いにむかった日本人投資家は結構いたようです。


大体みんな同じときに同じ行動を起こすもののようです。


今回私もロシア株への初上陸を果たすことになりました。

ロシア株に初上陸 その1

ロシア株ですが、SBI証券で30銘柄ほど買えるようです。


勝手の分からない外国株は大型株しか買わないから、これぐらいで十分と言えます。


マネックス証券だと中国株が特定口座で買えるので、NISA口座はこちらにしたほうが良かったかと少し前には思いましたが、一般口座扱いになっても外国株の取り扱いのバラエティの多さはSBI証券の方がはるかに多いので、結局NISAはSBI証券で良かったと思います。


中国株も一般口座にはなりますが、NISA扱いで買えます。


(マネックス証券は米国株の取り扱い手数料が非常に安いようですが、自分の場合、米国株を買うことはなさそうです)


外国株は資産として所有し、ほとんど売ることはないと思いますので、多少確定申告が面倒くさくなってもよしとします。


そうこう書いている間にもルーブルの暴落が大変な状況になっています。


ロシアだけリーマンショックみたいな状況になってますが、その前に買ってしまって涙目なロシア株ポートフォリオについては次回。

Appleをもらうか、ロシアを手に入れるか?

意味不明のタイトルですが、Appleの時価総額がロシアの全上場企業株式の時価総額を上回ったというニュース記事を少し前に読みました。


そこで妄想してしまったわけです。


Appleとロシアとどちらが欲しいかと。


Appleは今よりもすばらしい企業になるかもしれませんが、ソニーのように没落してしまうかもしれません。


私はバブルには二種類あると思っています。


一つ目は、2000年頃のITバブルや昨今のバイオベンチャーバブルのように利益実績のないバブル。


もう一つは、昨今の日本のスマホゲームバブルやAppleのように利益実績のあるバブルです。


前者は投資対象にはなりませんが、後者はバブルで終わるのか継続的な経済成長が続くのかの見極めが必要です。


でもそんな見極めをしなくてもAppleと全ロシアなら、ロシアを丸ごともらったほうが手堅そうです。


Appleの株価がさらに100倍とかになったら、がっかりするかもしれませんが、ロシアを丸ごともらっておけば、ロシア人民が全滅してしまわない限り、皇帝のような生活が約束されていそうです。


ロシアというと、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』などを書いたドストエフスキーを輩出した文豪の国といったイメージです。


Appleが100年後に倒産というのは可能性としてあると思いますが、ロシア人が100年後に地球上から消滅しているなんてことはまずあるわけありません。


ロシア人の方には失礼な表現になってしまいましたが、つまりはApple一社ほどの価値もないと市場から過少評価されるようになったロシア株が欲しいということです。

外国株投資に現地視察は必要か?

お金があればいけばいいと思いますが、全然必須の作業ではないと思います。


長年中国に行ったりしながらも、中国株をつい最近まで素通りしてきた身としてはそう思います。


そもそも今までに中国株で資産を築いた人もそんなに中国に行ったことがあるとか、中国語に精通しているとかいった人たちではないように感じます。


邱永漢さんの本を読んで、単純にこれからは中国が有望らしいと感じて、なんとなく買った中国株。


あれよあれよと値上がりするうちに何もしないで放置していたらとんでもない株価に……。


中国株投資でうまくいっているブログなんかを見ても、日常生活で中国との関わりがほとんどない人がかなり多いです。


結局、私の判断としては、外国株投資にわざわざ現地まで視察に行く必要はないと考えています。


そもそも素人がちょっと見た世間でその国や企業を理解した気になるのも危ない。


それに、その程度のものなら今ブログとかに多くの日本人がちょっとした現地情報をいくらでもアップしてくれているので、それならタダで利用できます。


これも「円」の力のなせるところと言えて、例えば、タイ人が海外の情報を得たいと思って、タイ語で検索してもこんなに世界中の素人タイ人ブロガーの記事がヒットするとは思えません。


「円高」ゆえに本当に世界中に日本人のブログ記事が溢れかえっています。


これも日本人であることのメリットの一つであると言えます。


現地視察には他人の財布を利用して、投資には自分の財布を使う。


これがワープアの海外投資戦略です。

通り過ぎて始めて気づく人民元の値上がり その5

昔の中国のように労働者の平均月収が1万円くらいの国は世界中のいたるところにあります。


人民元が値上がりしてしまったならば、昔の中国のような国に投資すればだけのいい話。


中国株も人民元高で株価は低迷していて、買い時は全然過ぎてないとは思いますが、既にポートフォリオが築けているので、追加買いは控えようと思います。


つまり、昔の中国のように貧しくて、我々が空気のように何気なく使っている「円」が莫大な価値を持つ国に投資することが、本当の意味での「中国株投資」の成功事例に学ぶことになるのではないだろうかということです。


格差社会という言葉が使われるようになって久しいです。


生まれた家庭環境や学歴での格差。


公務員や大企業の高待遇。


しかし、新興国の人々からすれば、日本人というだけで我々は「円」というとんでもない高下駄を履かせてもらっていることになります。


他人が持っている格差はありありと見えても、自分が持っている高下駄がいかに反則アイテムか分からないというのが人間の不思議なところです。


というわけで、今後は新興国投資に本格的に取り組んでいきたいと思います。

通り過ぎて始めて気づく人民元の値上がり その4



アマゾンのレビューもないよくあるトンデモ投資本のようですが、なんとほとんどこの著者の書いたとおりになっています。


「中国は向こう20年間、年率10%以上の成長をする。これは世界の常識である」


実際、おおむねそのように推移してきました。


この本が書かれた1997年当時、中国沿岸部の労働者の月収が1万円しかなかった頃、中国に全力投資していたら、一体どれだけの資産が築けていたのか……。


著者の方は2012年に亡くなったようで(名前で検索すると追悼動画が見つかりました)、日本での出版はこの書籍だけですが、とくに著名でもない人でも中国の経済成長を予見していた人は数えられないくらいいたということです。


つまり、情報はタダ当然で転がっていたのに、多くの人はそれを素通りしてしまったわけです。


古い地球の歩き方の「中国大陸を1日1500円以内で自由に旅するガイド」なんて、キャッチフレーズを見ると、もうイライラします。


今から見ると、どこの第三世界の話だといった感じです。


くっ、悔しい!!!


……。


いや、しかし待てよ。
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