カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

2015年05月

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その3

例えば、天保一分銀は、一分と銘打って、4枚で金1両と等価交換できるはずですが、金1両=銀60匁(匁=3.75g)とする幕府の公定レート(市場では変動相場制)からすると、実際にはその3分の1程度の銀(2.3匁=8.66g)しか含まれていませんでした。


つまり、天保一分銀は、本来用いるべき3分の2の銀を使わず、幕府の権力によって3倍の価値を世間に強要し、使わなかった3分の2の銀を幕府の収入として取り込んでしまう性質の通貨でした。


さて、このことがなぜ幕末日本にやってきた外国人にボロ儲けさせる機会を与えたかというと、外国人たちが自分たちの持ってきた洋銀(メキシコドル)と一分銀を計量交換することを要求したからでした。


「同じ銀を同じ重量で等価交換するのに何の不都合があるのか?」


という理論です。


しかし、一分銀は、先に述べたように名目価値の3分1程度の銀しか含有しておらず、残りの3分の2の価値は幕府の権力によって強制的に付与されているものでした。


言わば、3分の1が銀貨で、3分の2が紙幣のようなもの。


つまり、日本の一分銀は金との交換比率によって価値を定められている金の補助通貨であって、海外の銀貨と直接計量交換できる性質のものではありませんでした。


もしそうするならば、上方で流通している丁銀や豆銀板のよう秤量貨幣を用いなければなりません。これなら銀の品位と重量でスバリ価値が決まるので、問題ありません。


さて、幕府は国内金銀の交換レートから、1ドル=1分という為替レートを米国大使のハリスに提示したのですが、ハリスの方では納得がいきません。


「なんで俺たちの持ってきた洋銀(メキシコドル)が、その3分の1程度の銀しかない日本の一分銀に交換されなきゃならんのだ!1ドル=3分になるのが当然だろう!」


といった感じです。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その2

峠 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
2003-10-01



幕末に越後長岡藩の家老だった人物、河井継之助をモチーフとした司馬遼太郎の歴史小説です。あまり一般には知られていませんが、戊辰戦争の悲劇の立役者となった人物です。


新潮文庫版では、中巻にてエピソードとして、外国人が俄か成金になって、河井継之助が訝しがる様子が描かれています。そこで河井継之助が聞いた話は、


「日本の金が異様に安い」


というものでした。実際には日本の金が異様に安かったのではなく、1858年に結んだ日米修好通商条約によって、重量貨幣であるメキシコドルと名目貨幣である一分銀の同一重量による交換を認めてしまったために、それに連動する形で日本の小判が異常に安くなってしまったという少し複雑な話です。


詳細は、wiki(幕末の通貨問題)やこちらの小説に詳細に解説されています。







事の発端は、財政難に苦しむ幕府が銀貨を改鋳するたびに銀の含有量を減らしていったのに、額面の価値を下げないことによって改鋳差益を得ようとしたことにあります。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その1

安政一分銀が制作された経緯はwikiの記載が詳しいです。


日米和親条約締結により安政6年(1859年)に開港され、外国人大使の小判入手が目的の洋銀から一分銀への両替要求が急増し、貿易港周囲における市中の一分銀が払底したため、幕府に対し一分銀の増鋳が要求された。しかし一分銀の払底は解消されず、ハリスは洋銀を一分銀に改鋳して発行するよう提案し幕府もこれを受け入れ、同年8月13日より洋銀と同品位の一分銀が通用開始されることになった。このとき発行されたのが安政一分銀(あんせいいちぶぎん)であり、新一分銀(しんいちぶぎん)とも呼ばれる。


つまり、当時流通していた天保一分銀が、外国人大使や商人たちがもたらした洋銀との膨大な両替要求によって、市場で供給不足に陥ったために、幕府が新たに手に入れた洋銀を鋳潰す形で制作したのが、安政一分銀ということになります。


では、そもそもなぜ外国人たちは、日本の一分銀を手に入れて、小判と交換したがったのかという話になります。


高校の日本史の教科書とかには、サラッと数行で書かれている話ですが、結構なドラマがありました。

日本銀貨収集 その1 安政一分銀

ichibugin











ヤフオクで購入した安政一分銀です。3000円というのは、前所有者の購入価格でしょうか?


私は今回4枚7000円で購入しました。相場を見ると、もっと安く買えたようにも思いますが、初めての日本銀貨入手ということで、あまり価格にはこだわらず、即決価格で購入しました。

日本貨幣カタログ 2015
紀伊國屋書店
2014-11-07






日本貨幣カタログを見ると、安政一分銀にはいろいろな型式のものがあって、希少なプレミア価格になっているものもあるようです。そうではないありふれたものなら、ヤフオクで大体1枚2000円以下の価格で買えそうです。


ただ、初めての日本銀貨購入ということで、まだあまり詳しい状況は分かっていません。


安政一分銀、高くはないので集めてジャラジャラさせると、幕末にタイムスリップした気分が味わえるかもしれません。やってみたい(笑)


ところで、安政一分銀について、タオバオやebayを観察してみると、やはりヤフオクよりは割高価格です。つまり、日本銀貨は流通量の一番多い日本で買うのが一番安いというケースが多そうだということが分かります。


もっとも個別のケースでは様々だとは思いますが。


さて、アンティーク投資は株式投資よりもかなり不確実な上にリターンも高くないと思いますので、主要な投資対象にはなりませんが、実物を所有するというおもしろさがあり、さらにはそのアンティークにまつわる周辺のエピソードを調べているうちに他の投資にも役立ちそうな情報を得ることもあります。


次回以降は、幕末に日本でボロ儲けした外国商人の話です。


日本銀貨収集の始まり

中国で発行されているパンダ銀貨をタオバオで買ったことは以前の記事に書いたことがあります。


panda












2013年と2014年発行の1オンス銀貨です。発行枚数は膨大なので、プレミア価値は皆無に近いです。カナダのメイプルリーフ金貨なんかと同じ位置づけで、いわゆる政府の金儲けのために発行されるものです。


ただ、絵柄が毎年変わるので、収集癖をくすぐられます。


円安のためebayやタオバオではなく、ヤフオクばかり見ていると、2015年の1オンスのパンダ銀貨が売られていました。


4000円もしないのなら買おうかとマウスのボタンをクリックしそうになりましたが、タオバオの価格が気になります。で、タオバオの価格を見てみると、やはりそちらの方が安い。


とはいえ、タオバオで買うと、決済手数料や送料で結局ヤフオクで買うよりも高くつきそうです。


「ぐぬぬ……」


「いや、まてよ?」


円安で尚且つ日本にいるということは、わざわざパンダ銀貨を買わなくても、日本で一番安く売られている銀貨を買えばいいのではないか?


別にパンダ銀貨にそれほど愛着があるわけではなく、私の目的は資産形成にあります。


このパンダ銀貨自体はたかだか数千円の買い物ですが、長期的にいろいろなものをコレクションしていくとなると、でたらめに好きなものを買うのと、「今自分が買えるものの中から最も割安なものを買う」のとでは、長期的にはかなり所有コレクションの市場価格に差がつきそうです。


思えば、私が中国に留学していたときに日本料理店に行ったことはほとんどありませんでした。明らかに割高だし、現地の飲食店にはもっと安くておいしいものがたくさんあったからです。


日本食を食べる必要性を感じなかったのです。


同じように日本でわざわざ割高の中国産パンダ銀貨を買わずとも、世界的に見て、日本市場が最も割安になっている銀貨があるのではないか?


そしてそれらもまたパンダ銀貨と違った美しさを持っているのではないか?

円安ならヤフオク

世は円安です。


1ドル106円とか107円くらいのときまでは、タオバオでいろいろとお買い物していましたが、120円になるとさすがにげんなりしてしまって、最近は何も買っていません。


少し前まで1ドル100円くらいで計算していたような気がするのですが、あれは一体何だったのでしょうか?


ああ、あの頃に中国株買っておいてよかった。どうして80円台のときに買えなかったのだろうとあのときにはほぞを噛みましたが、今から思うと、1ドル100円でも十分安い。


ちなみに1ドル120円に近づいてからは、中国株はかなり低迷してました。通貨高で株安になる構造は日本とよく似ているようです。


人民元高ではあるが、中国株はまだ買えると当時思っていましたが、それも最近跳ねました。結局、中国経済の成長は、人民元高を蹴散らしてしまうようです。かつての日本と同じように。


このあたりの状況、実際にポジションを持っているとよく分かります。みんなで怖がらずに中国株を買いましょう。


さて、円安なので、もっぱら目線は国内に向かいます。お買い物ならヤフオク。個人間取引なら消費税もいりません。


何でも安いというわけではないですが、ヤフオクが一番安いというものは結構あります。

私はGOLDを買わない

各種ETFを1枚づつくらい観察用に買っていることは以前書いたことがありますが、2年くらい前に買った金、銀、プラチナのETFは未だに含み損があります。


それよりもずっと後に買った株式や不動産ETFですら軒並み値上がりしていることを考えると、こういう商品は投資の対象としてはやはり不適だという結論に至っています。


かろうじて、売買差益を狙う投機の対象としてはありでしょうか。


ただ、自分の場合は含み益の増大を狙う投資がメインなので、今後、金、銀、プラチナ、石油なんかを積極的に買うことはなさそうです。


今後の戦略としては、投資の主体はやはり株式、資産規模が大きくなってきたら不動産も取り入れて、おまけでアンティークも収集するいったところでしょうか。


金積み立てするくらいなら、おそらくアンティークコインを素人目立てでも買ったほうが随分とましだと思います。


鑑賞性があり、値がさのものを選べば保管場所にも困りません。いま人体実験中ですが、金や銀なんかよりも値上がりすると思います。


もっともアンティークコインよりかは、株式を買ったほうが随分と良いと思っているので、株式市場がバブルでない限りは、積極的にコインを買ったりすることはありません。


ただ、目についたものがあれば買っていくことになります。


さてでは今回新たに気になったカテゴリーとは?

最初の集中投資




名著です。時々読み返すのですが、ずっと以前から気になっていたことは、「分散投資ではお金持ちになれない」というチューリッヒの公理です。


バフェットなどの著名な投資家に限らず、素人でも大きく資産を増やした人は皆極少数のものに集中投資しています。


とはいえ、無理に集中投資するのは、大怪我の元です。


「これなら……」という機会をずっと待っていましたが、ひとつ勝負してみようかという企業が決まりました。


リブセンス(6054)という会社があります。


成約課金型の求人広告業で、創業から10年も経たないうちに東証一部までスピード上場した企業です。


ただ、近年は求人市場の変化や競合の出現によって、業績低迷が続いていて、株価は山なりに下げています。


チャートは反転の兆しもなく、まだまだ株価は下げる可能性があります。


しかし、ここ一年半ほどこの会社をずっと観察し続けてきましたが、どうにも良い企業のように感じられます。


芸能人のグルメ番組なら、ここで言葉を尽くしていかに美味な料理かを語ったりするんでしょうが、一日のアクセス数が20や30の路地裏ブログで、ムニャムニャ言うこともないでしょう。


全投資資金の25%をこの一社に投入して、勝負してみることにしました。外国株ポートフォリオ全体と同規模の投資になります。


また、チューリッヒの公理ではいつまでも投機に身を染めるなとも警告しています。


何度も安値で買って高値で売るというようなことが成功するとは思えません。


もし今回の賭けに勝った場合には、半永久投資に移行することになると思います。


あたかもマイホームを得たときのように。

ポートフォリオ固まる その3

昨年末にはネット系の新興IT企業の株価が下がっただけでなく、同じ頃に原油価格が暴落し、ルーブルとロシア株もそれにつられる形で下がりました。


「円安なのに、ルーブル超安いじゃん!ロシア株買おう!」


なんて安易に考えてロシア株を買った私は格好の餌食になりました。


買った途端に株価は為替損益含めて半値になり、口から泡吹きそうになりましたが、もはやお家芸となりつつあるやけくそナンピン買いをした結果、既にロシア株は危なげない含み益に転じています。


まあ原油価格とルーブルの暴落があまりにも急激だったので、半年くらいである程度戻すだろうとは思っていました。(←後出しジャンケン)


さて、新興IT企業株やロシア株を買ったため、ポートフォリオはガラッと変わりました。


中国株が最近暴騰してるのは持ってる人はご存知でしょうが、その前に売ってしまっています(涙)


わずかに持っていたベトナム株も売却してしまいました。こちらは現地証券口座を開設したので、近々買いなおす予定です。また記事に書くこともあるでしょう。


ポートフォリオ構成としては、


外国株25%(うち中国株80% ロシア株20%)
新興IT企業株分散投資50%(イオン100株含む、笑)


となっています。


残りの四分の一、25%はどうなったかというと……。

ポートフォリオ固まる その2

年末から現在くらいにかけて、マザーズ系の新興IT企業の株価が低調です。二三銘柄というのではなく、私が注目しているところ大体軒並み値を下げています。


円安で利益の出やすい大型株に資金が移動し、各種数値上は割高な新興企業株が売られているのかもしれませんが、実際のところどういう理由で売られているのかは分かりません。


ただ自分が投資しようとしている分野の株価が低調なのはチャンスです。


思い切って過去このブログで登場したあんな銘柄もこんな銘柄も売り払って、新規にITベンチャー系の銘柄を追加してみました。


エニグモ(3665)、VOYAGE(3688)、メドピア(6095)、弁護士ドットコム(6027)などなど。


自分の場合、どうもベンチャーが好きなようです。







書籍の内容は取り立てておもしろいといったほどでもないのですが、創業秘話はなんともいえない味わいがあります。


弁護士ドットコムなんかPER200倍越えで高掴みして、例のごとく含み損を抱えてますが、創業者の苦労を思えば割安なのではないかと感じてしまいます。


甘いと言われればまあそうです。何度か叩きつけられるような経験をしないと、この感性は直らないのかもしれません。
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