カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

2015年12月

老後破産という陽炎 その2

株式投資の本はどれも似たりよったりのことしか書いてありません。似たような本ばかり読んで、素人戦略を煮詰めるよりかは、もっと過去の歴史を勉強した方が投資のヒントになるものがあるのではないかと思って、江戸、明治、大正、昭和初期の辺りのことについて書かれた本を最近よく読んでいます。


それらの本を読んでとにかく思うのは、昔の日本は本当に貧乏だったということです。


いや、今の日本が本当に豊かになりすぎたと言うほうが正確なのかもしれません。邱永漢先生の本を読んでもしきりにそのことを書かれています。


Qさんのように戦前からの生活経験のある人は教えてもらわずとも理解できることですが、もはや大抵の人が戦後生まれの今では、衣食住の充足などは空気のように当たり前に存在していて、なかなか現代の豊かさが理解できません。


結局、狭い日本の中の他者との比較だけで自分が貧乏だと感じてしまうのですが、現代日本の豊かさを理解できないと、本質を見誤ります。


現代日本の豊かさを理解するには二つの鍵があります。


一つは過去の歴史との比較。


もう一つは海外と日本との比較です。


過去の歴史については、本を読めば分かりますし、今の海外事情は世界中どこにでもいる日本人の書いたブログを読めば分かります。


例え、今ワープアと呼ばれる人たちであっても昔の日本人の貧乏さに比べると比較するのもおこがましいくらい豊かです。


また、海外に目を向ければ、ベトナム人がiphone買おうとすると、月収の二ヶ月分がとびます。もちろん生活費ゼロでは暮らせないので、二ヶ月働いたくらいでは全然買えません。ゆえに中古品市場がかなり活発なようです。


つまり、いま下流老人とかいう新しい造語で人々の不安を煽ったとしても、歴史と世界をぐるりと見渡して冷静に考えれば、それはただのなんちゃって下流老人だろうということです。

老後破産という陽炎 その1

最近は老後破産とか下流老人とかいう言葉がよく聞かれるようになりました。


金額が減少したり支払い時期のどんどん遅れていく年金だけに頼っていると、老後の生活費をまかないきれず、破産したり下流生活を余儀なくされるという意味らしいです。


せっかく長生きして勝つつもりが、逆に老後破産したり、下流老人になってしまっては悲惨です。


「こんなに長生きするんじゃなかった。もっと早く死んでおけばよかった……」


と涙で枕をぬらす日々。こんな恐ろしい情景が近い将来日本中のあちこちで見られるようになるのでしょうか?


私の推測ですが、まだ若い多くの人にとっては、老後破産や下流老人というのは、実は杞憂に過ぎないと思います。


もっとも、誰も老後破産したり下流老人になったりしないと言えば嘘になるでしょう。実際今ですら年金の支給額が少なくて困っている人はいるからです。


ただ、現在盛んに語られている老後破産や下流老人という言葉は、今の経済情勢や社会状況を前提にして話されています。


30年後や50年後の経済情勢や社会状況って想像つきますか?


少し時間を遡ってみると、5年前にスマホをクリクリしている人はまだかなり少数でしたし、20年前ならインターネットを使っている人はマニアでした。


タイムマシンに乗って、30年前の自分に


「ネットで漫画よんだりアニメ見たり、アホみたいに本買ったりするようになるよ!漫画やアニメは無料ですむし、中古本は無茶苦茶安いよ」


と教えてあげても、


「???ネットって何?」


としか反応できないでしょう。


あるいは50年前の高度経済成長期にタイムスリップして、


「日本は世界屈指のお金持ち国家になるよ。早く株式か不動産を全力買いして!」


とみんなに教えてあげても、おそらくみんな半信半疑で銀行に貯金しかしないでしょう(笑)


つまり、30年後や50年後の世界や日本がどういう状況になっているか分からない以上、現状から想像できる老後破産や下流老人はただのおとぎ話に過ぎないのです。

長生きして勝つ その12

多少話が逸れた感じはしますが、歴史上の人物でなくても、市井の一個人でも長生きして勝つというのが、一番重要な長期戦略になると思います。


金融資産が老年世代に偏っているというデータを時々見かけますが、そもそも資本には複利の法則が働くので長期投資の方がリターンが大きくなりやすいだけでなく、仕事の面でも、年齢を重ねるほど経験や知識も増えて、収入も増えやすくなるので、かなり当たり前の現象です。


老人ばかり儲けていると批判的な目で見るのではなく、自分が長生きして同じような恩恵を得ればいいだけの話です。


資産家の家に生まれるとか、美男美女に育つとかいうのはただの運ですし、公務員になったり、一流企業に入ったりするのは、年齢的な制限があります。


しかし、長生きするというのなら、誰にでも今からでも実現できる可能性のあることです。


つまり、凡人ほど長生きして勝つしかない。


では具体的にどうやって長生きするかというテーマになるのですが、それについてはまたいずれ取り上げたいと思います。

長生きして勝つ その11

項羽の享年はわずかに31歳。一方、劉邦の生年には二説あるようですが、漢楚の興亡の頃には40代前半か50代前半の男盛りの頃のようです。


漢楚興亡時期の劉邦の年齢は古代社会だとヘロヘロの中年といった感じかもしれません。


実際、司馬遼太郎の小説では、いくら軍師范増が注意しても項羽はよれよれのおっさん風の劉邦をライバル視することができない様子が描かれています。


歴史にifはありませんが、もし項羽が江東に渡って再起を計り、前半生の失敗に学んで善政を敷いたら、明けの明星は再び項羽の方に輝いた可能性もあります。


なぜなら、その後の歴史を見ると、天下を取って猜疑心の強くなった劉邦はかつての功臣たちを次々と粛清し、それが次の内乱を引き起こすといった悪循環に陥り、項羽の死後ただちに天下が治まったというわけではなかったからです。


もしそのときに項羽が生きて江東に王として健在であったなら……。


あせらずとも先に寿命の尽きるのは年配の劉邦の方であることは明白です。


つまり、項羽にも長生きして勝つ可能性はあったわけです。

長生きして勝つ その10

項羽がいかに稀代の猛将でも広い中国全土において、その武力が発揮できるのは、点や線のような狭い範囲に限られます。


配下の武将が漢軍に討ち取られたり、謀略によって離反していくことによって、項羽自身に傷はつかずとも楚軍の勢力は徐々に弱まっていきました。


結局、項羽自身が漢軍にまともに敗北したのは、全国の諸侯が楚軍を倒すために集結し、漢楚の兵力数が絶対的に逆転した垓下の戦いのみでした。


しかし、垓下の戦いで敗れた項羽に再起の機会がなかったかというとそうではありません。垓下の漢軍の包囲網を突破した項羽は、烏江という長江の渡し場までたどりつきます。


船を準備して待っていた烏江の亭長(宿場役人)が項羽に告げていうには、「江東は小さいですが、土地は四方に千里あり、人口も数十万おります。大王よ、この地で王となられよ。この近くで船を持っているのは私だけなので、漢軍が来ても渡ることは出来ません」と。


このことから、既に全国民が漢軍の支持者になったようにみえても、まだ項羽には支持者が残っていたことが分かります。


しかし、項羽は笑ってこれを断ります。


「昔、江東の若者八千を率いて江を渡ったが、今一人も帰る者がいない。江東の者たちが私を憐れんで再び王にすると言ってくれても何の面目があって彼らに会うことができようか。例え彼らが何も言わずとも、私自身が恥ずかしいと思わずにはいられない」と。


この場面、いさぎよいようですが、立場を替えて劉邦なら迷うことなく、江東へ渡って再起を計ったことでしょう。


最初の一敗で屈した項羽に対して、負けても負けても懲りずに逃げ続けて再起を計った劉邦。


蘇軾の言う通り、極論するとその勝敗を分けたのは、ひたすら忍ぶ者と一度も忍ぶことのできない者の差でした。

長生きして勝つ その9

蘇軾によると、漢の劉邦の勝因と楚の項羽の敗因は極論すると、忍ぶと忍ばざるの一点にあった、つまり忍耐力の有無だけがその勝敗を分けたといっています。


項羽は三国志に登場する呂布のスケールをさらに大きくしたような稀代の猛将で、劉邦はたえず項羽の本隊から逃げ惑うような戦いぶりしかできません。


楚軍の強さに引き換え、漢軍は雑軍の集まりといった感じで、項羽の本隊とまともに戦うと常に負ける。


しかし、漢軍は負けても負けても懲りずに逃げ続けて、謀略や外交政策、楚軍の補給路を絶つようなゲリラ戦略で徐々に楚軍の勢力を剥ぎ取っていきます。


項羽の鋭鋒を避けながら、劉邦は忍耐に忍耐を重ねる日々が続きますが、次第にその成果が現れ始めてきます。


北方に遊軍として送り出した韓信は、斉国を攻略して一大勢力となり、また離間の計によって、楚軍の軍師、范増は項羽の元を去ります。


当初、見るからに強大であった楚の勢力は徐々にほころびが出てくるようになります。


一方、項羽には忍耐力が欠けていたと私でも感じる象徴的なエピソードがあります。

長生きして勝つ その8

中国の歴史読み物というと、三国志が一番有名ですが、それを遡ること約400年前、漢と楚の興亡もそれに劣らずドラマチックです。

項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
1984-09-27



史書の記載は比較的簡略なものなので、司馬遼太郎氏が想像で膨らませている部分はありますが、基本的なストーリーは歴史的史実に基づいています。



一方、こちらも非常におもしろい漫画になっていますが、横山氏の独創によるところは少なく、『通俗漢楚軍談』という江戸時代の小説をモチーフとしています。もっとも『通俗漢楚軍談』自体が中国明代の『西漢通俗演義』の翻訳だとか。


どちらを読んでも大きな歴史の流れは変わらないのですが、漢と楚の興亡は壮大なシーソーゲームです。


ほとんどの有力武将や人民、ともに漢と楚のどちらが勝つかに対して、定見がない。ゆえに楚が有力だと見れば楚に味方し、一方、漢の形勢が良くなれば、漢に寝返る。


何度も形勢が逆転しそうな局面はあるのですが、大勢としては最初有力であった楚の項羽が徐々に漢の劉邦に追いつめられていき、最後は漢の勝利に終わります。


そして、漢と楚の興亡から時を経ること1200年、北宋の大文人、蘇軾の残した評論が今回のテーマにあっていて、参考になります。

長生きして勝つ その7




戦前の華族の集合写真や秘蔵の家宝などが掲載されていて、非常に興味深いので何冊か安かったときに買って所有しています。


現当主へのインタビュー記事も載っているのですが、四民平等の世になったとは言え、皆さんやはりそれなりの社会的地位の高い仕事をされている方が多いようです。


華族が蓄積した膨大な有形資産は戦後の財産税で丸裸にされたとしても、先祖代々の蓄積の本質は知識や経験のほうにあって、その土台は容易には揺るがないのだと思います。


最近村上ファンドの村上さんが、株価操縦の疑いでまた強制捜査されたようですが、村上さんの長女が20代で既に会社を率いて父親顔負けの仕事ぶりを発揮しているようです。


やってることの善悪の判断は差し控えるとしても、やはり村上家に代々蓄積された知識や経験がなければ、村上さんの長女は20代で早くも活躍することはできなかったのではないでしょうか?


となると、結局名家に生まれなかったものはすべてをあきらめるしかないのか?


そうでもないでしょう。


俗に成金という言葉があるように、一代で財産を築く人も数多くいるので、生まれの良し悪しはさほど気にするものではありません。


そもそも最初の成金が出てこなければ、名家など生まれるはずもありません。つまり、庶民に生まれたのなら、初代になれるよう努力すればいいだけの話です。





闇金にカネを借りてしまって、転落していく人々が描かれた漫画ですが、登場人物の家庭環境がとてつもなく最悪です。


こんな家庭に生まれたら、一瞬で人生が終わってしまうと感じるほどです。


所詮漫画の話だろうと片付けることはできますが、不幸にしてこういう家庭環境に育つ人も現実にはいることでしょう。


結局、多くの人は名家に生まれるわけでも、最悪な家庭環境に生まれるわけでもなく、平々凡々な家庭に育つことでしょうから、自分の出自を嘆くのではなく、個人の力量で事業や財産を築く努力をするのが一番の近道です。


そのための最重要戦略が「長生きして勝つ」です。

長生きして勝つ その6

様々な業界で偉大な業績を残した人たちは長寿を保っていることが多い一方で、夭折したのに大きな業績を残したり、若くして成功する人たちもまたいます。


こういう人たちは一代で成功したというよりも先祖代々の蓄積があったというケースが多いのではないかと思います。





邱永漢先生が経営者の小林一三について大絶賛した書籍です。


私の場合、この本によって小林一三という人物を初めて知り、少し値が張ったのですが、小林一三全集を買ってみました。


小林一三全集〈第7巻〉 (1962年)
小林 一三
ダイヤモンド社
1962




その第七巻に以下のような話が載っていました。


「スイスの時計は世界で非常に有名なんですよ。ところがスイスの時計のいい職人というものは、やはり親が二代も三代も古いほどいい職人が生まれて、初めてではどんな器用なものでも第一流の職人にはなれないという話を聞いたのですが……」(p.455)


という話を歌舞伎役者との対談でしていて、やはり役者というものも家々で育てていくものなのでしょうという結論になるのですが、これは業界問わずある程度共通したものなのではないかと思います。


世襲というと今日ではマイナスなイメージで語られることが多いですが、現実には世襲によって先祖代々の経験や知識が損なわれることなく継承発展していく。


平成の今の世でも、どの業界を見ても世襲だらけなのは、それが経済的合理性にかなっているからではないでしょうか。
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