その1 「自分が読みたい本だけを買う」


道楽のついでに資産形成できないかという試みであって、「この本は値上がりするに違いない」とか考えて本を買うのはちょっと馬鹿げています。


妄想はほどほどにしておきましょう。


好きな本を買って、好きなだけ読んで、死ぬ前に売却したら、なんと売却益まで出た!なんてことがあったら、素敵です。ただし、それを期待するのではなく、欲張って変な本まで買わないようにする。


その2 「文字の大きな読みやすい本を買う」


昔の古典が現代に再版されるときに、宋代や明代の原本をそのまま写真撮影して印刷する影印本というスタイルで出版されることも多いのですが、この影印本の問題点は、写真撮影であるがために、いくらでも縮小印刷ができることです。


中国古典の分量は膨大です。出版社はできるだけコストを下げたく、今の中国人も昔の読書人と違って貧しく財布が軽い。両者の思惑が一致してここに米粒のような文字の縮刷本が出版されます。


しかし、正直言ってとても読めたものではなく、誰のために役に立つんだといった感がある超縮刷本も多いです。


一般の人は知らないと思いますが、ふた昔くらい前に吉川幸次郎という著名な中国文学者がいて、「安くても縮刷本は買うな。年を取ってから読めなくなる」と書いてあるのを読んだことがあります。まったく同感です。会社四季報だって私はワイド版しか買いません。


しわしわおじいちゃんになっても気持ちよく読めるような文字の大きな本を買いたいと思っています。もし売るとしても同じしわしわおじいちゃんの方が若者よりお金持っていると思うので、その点でもよいです。


その3 「製造原価割れしている古書を狙う」


中国古典や研究者の著作は頻繁にあちこちの出版社から再版されます。ただ、やはり市中に出回らなくなると近年のネット販売網の発展もあってか、中国ではすぐに値上がりします。妙に値上がりしてしまっている本には手を出さず、製造原価割れしている古書を狙いたいと思います。


つまり再版するにしてもこの価格では販売できないだろうというような安値で放置されている古書。株式投資で言えば、PBR1倍割れしているような状況の本。


いろんな本を見てきたせいで、大体分かります(笑)


理想は買った途端に含み益みたいな状況です。