専業投資家、専業トレーダー、専業大家、どれも聞きなれた言葉です。最近考えているのは、専業コレクターという職業が今後新しく出てくるのではないかということです。


コレクターというのと、資産家や変人が趣味や浪費でやるものという認識が今まで私にはありましたが、今後はそれに止まらず、あたかも一つの事業のようにそれを行う人たちが出てくるようになる。


どうもそんな気がしてなりません。


キーとなる外的環境の変化は二つあります。一つはユニクロの柳井氏が言った「年収1億円と100万円の人に分化する」というような貧富の格差の拡大です。


お金をたくさん稼ぐ人がみな倹約家というわけではなく、湯水のように使いまくる人もたくさんいます。そういうニューリッチ、成金な人たちが今後世界中でどんどん増えていくと、数が限定されているアンティーク品などの価格は暴騰します。


ヤフオクでどうしてもその商品を欲しい人が2人いるだけで、落札価格が異常に競りあがるのと同じ原理が今後世界中で頻発するようになるのではないかと。


もう一つのキーは情報通信インフラの整備の完了です。モデムでピーピョロピョロとか鳴らしながらダイアルアップで接続していた時代はとうに過ぎ去り、今は動画でも何でもどんどんダウンロードできます。


ありとあらゆる情報を一瞬で送信することができる時代になり、世界中でいろんなオークションサイトが運営されるようになりました。


アマゾンの中古本市場を見ていて驚いたことは私が子供の頃に千円くらいで買って捨てた本が4万円近い価格で販売されていたことです。


別に希少でもなんでもない何とかブックスのうちの一冊といった感じの本がです。もっともアマゾンの販売価格は業者の売りたい価格で、実勢価格を離れている場合もありますが、実際に売買の成立しているヤフオクを見ても、同じ本は高額で売買されているので、アマゾンの高価格もある程度の裏付けはあるようです。


こういう身近な何でもないものが高額で売買されるようになるという現象は、ネットインフラの普及以前には考えられなかったことです。


この傾向は今後強まることはあっても弱まることはないのではないかと考えています。