明代に流行した長編小説の『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』をその作品のクオリティの高さから俗にまとめて四大奇書と呼びます。


のちに『金瓶梅』がちょっとエロすぎるというので、これを除外して『紅楼夢』を加えたものを四大名著と呼ぶようになりました。


さて、『西遊記』というと、今の若者は知らないかもしれないかもしれませんが、TVドラマの夏目雅子さんの三蔵法師を思い浮かべる人も多いかもしれません。


小説のほうは全100回の超長編です。李卓吾先生というのは、明代の著名な思想家で、出版元が売り上げを上げようとその名を騙ったものです。李卓吾とは関係ないが、その批評には読む価値ありということで、現代にまで伝わっています。


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墨摺りの状態がよくないように見えますが、『李卓吾先生批評西遊記』は、中国には中国歴史博物館と河南省図書館にそれぞれ一部しか現存していないので、超希少です。


さて、戦乱の多い中国ではけっこう簡単に書籍が滅んでしまいます。中国で早くに滅んでしまった書籍が日本とかの海外で発見されるということは、わりとよくある現象です。


『李卓吾先生批評西遊記』は、日本の内閣文庫にも一部現存しているようです。


レプリカとは言え、明代の出版物を自分の手元で読めるのは、娯楽としては気持ちのよいものです。


中国茶でも飲みながら読めば、気分はもう中国。老後が楽しみですな。