ホリエモンやその周辺人物の著作を読むと分かりますが、経営者としてのホリエモンは、その派手な言動とは裏腹に非常に堅実で手堅いやり方でビジネスを拡大させていった人物です。


「いやー、儲かってしょうがないですよ」


なんて軽口叩きながら、水面下では必死に足かきしてるアヒルみたいな感じです。額面どおり彼の言葉を聞いて騙されてはいけません。


ライブドアの全盛期、「ホリエモンしか儲からないライブドア」というような週刊誌の記事を読んだことがあります。


一般社員の給料は安く、パソコンすら社員に購入させる、「ライブドアは机と名刺しかくれない」なんていうセリフも掲載されていました。


ただひとり儲かるのは株高の恩恵を受けるホリエモンのみなりけり、といった感じの記事でした。


関連書籍を読んでもライブドアが徹底したコスト削減に取り組んでいたことは確かのようです。


接待交際費は社長を含めて一切無しの自腹、仕事で使うパソコンも購入補助費を与え社員に購入させて、固定資産として会社に残さない。


クリアファイルすら経費では購入できない。(よそからもらったものを貯めておいて使え。クリアファイルを貯める棚があったそうです)


売り上げを上げるよりコストを下げるほうが簡単で効果が永続的なのは、個人も会社も一緒です。


しかし、接待交際費がなかったり、パソコンも自分で購入させられたり、クリアファイルの購入すら個人の意思ではままならない会社というのは私は寡聞にして聞いたことがありません。


大体サラリーマンなんて、「自分の金は100円でも惜しいが、会社の金は100万円浪費しても全然気にならない」という感覚の人ばかりです。


ここにメスを入れれば利益が上がるのは確実ですが、多くの会社は上から下まで馴れ合いに染まっているので、ここまで厳しい経費削減はできません。人のあらを探すと自分もちょっと……、となります。経営陣すら例外ではありません。


こういう厳しい条件でもライブドアに社員が集まったのは、「ライブドアを利用して、成り上がってやろう」という野心に満ちた人間を呼び寄せることができたからでしょう。


そしてそれが新興企業としてのライブドアの成長力の源泉になったことは間違いありません。


雑居ビルの一室から起業して、ずっと雑居ビルで生涯を終える経営者は数え切れないほどいます。ホリエモンとライブドアの成功は、運やまぐれ、宝くじなんかと同列に語られるものではないことは明白です。