ろくに人が入っているようにも見えない中国関係の古本を売っているような古本屋。


ああいうところは、タダ同然で仕入れて馬鹿高く売るという古本屋のビジネスモデル以外に骨董屋のビジネスモデルも同時並行的に行っているのです。


例えば、明代や清代に出版された書籍は二度と再生産されることがありません。その当時も良い書籍はそれなりに値が張ったでしょうが、完全な骨董品となった今ほど高額であったはずはありません。


つまり出版された当時はちょっと値の張る良い本くらいのものでしかなかったのです。


しかし、二代、三代と事業が継承されていくうちに、在庫の価格が勝手に上昇していく。


たまに数寄者がそういう高額な書籍を収集目的で買っていく。


これだけでもかなり経営は安定すると思います。


一方、商品の出版年代だけで値付けをしているようなブックオフは、生鮮食料品や流行の衣料品を売るようなビジネスモデルで、時間の経過とともに在庫の価格が上昇するという概念はありません。


1円に張り付いて動かないアマゾンマーケットプレイスの数多くの書籍を見ても、大半の書籍については時間の経過とともに価値が下落していくという概念が正しいことが分かります。


ただ数百万円や数十万円で売り出されている中国古籍はもはや書籍とは言っても、実際はそのカテゴリーを越えて骨董品になっています。


数十年後、値下がりしているかというと、そういうことはなく、ほぼ間違いなく値上がりしていることでしょう。


劣化ブックオフのような古書店が軒並み姿を消した一方、こじんまりとした古本屋がなぜか生き残っているのは、骨董屋のビジネスモデルと在庫を規模の大小こそあれ所有しているからです。


さて、この古本屋と骨董屋のビジネスモデルの違いのおかげで最近一つちょっとした掘り出し物にあたりました。


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