中国で一番有名な長編小説となると、『水滸伝』、『紅楼夢』、『西遊記』、『三国志演義』あたりになります。


中華民国期の学者、胡適なんかは、「中国古典小説の最高峰は、『紅楼夢』か『水滸伝』であろう」と言っており、私もそう感じますが、両方とも日本人には『三国志演義』ほどのなじみはありません。


思うに、『紅楼夢』や『水滸伝』に散りばめられた秀麗な詩は原文で読まないとニュアンスが伝わりにくい一方、史実を元にした『三国志演義』の分かりやすさとおもしろさは世界共通です。


史実は小説よりも奇なり。曹操軍に囲まれ進退窮まった関羽が張遼の説得を受け一旦は曹操に臣従し様々な恩寵を受けるも、旧恩を忘れることなく劉備の元に再び帰っていく姿は泣けます。




(日本語でも読めますぞ)


さて、清代の文人、毛宗崗が注釈を加えた三国志演義が以前からずっとおもしろいと思っていて、文字の大きな読みやすい本がないかと探していたのですが、注釈は三国志演義の本文よりも粗略にされがちなので、ロクな本がありませんでした。


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あるのは知ってました。でも値段は高いは中国の古書売買サイトでないと買えないわで、ずっと眺めているだけだった本です。


「おおっ、みやびやなー(悲)」


なんと、今回たまたま日本の古書店で買うことができました。

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全39冊なので写真は四分の一の分量です。