私が買ったのは現代の復刻版でレプリカですが、原本は抄本、つまり一部限りの手書き本です。書籍を手書きで書き写す習慣は清代くらいまで広く行われていたようで、書籍を大々的に出版するのに比べれば、費用も手軽だったと思われます。

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超達筆です。書籍の装丁は清代皇室の特色に溢れていて、この抄本が皇室に伝えられていたものであることが分かります。

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宮廷画風の40幅の人物画もありゴージャスです。皇族が読む本はさすがに金がかかっています。


今回の2004年の文物出版社から出版されたあとがきにこの書籍の来歴が書かれていました。


この書籍、張作霖が北京を接収したときに賄賂として清朝皇室から張作霖に送られたものだそうです。その後、張作霖はこの書籍を腹心の郭松齢に褒美として与えました。


のち、郭松齢が反乱を起こすも敗北、死亡した後は、郭松齢の親族がこの書籍を各地の親戚や友人に分散して預けて、数々の戦乱を乗り越えてきたそうです。


貴重な書籍であることは言うまでもなく、その内容的にもすばらしいものですので、ささやかなお宝としてずっと持っていたいものです。


さて、次回はなんで安く買えたかという点についてです。