古本屋がそこそこの値段で売り出した商品を骨董屋的な視点から見ると、まだまだかなり割安に感じる水準であることがある。


この古本屋と骨董屋のビジネスモデルの違いが、今回書籍を安く買えた理由ですが、もう一つ割安になった理由があります。






島津法樹さんの本を読むと、『近高遠安』という骨董用語が出てきます。


これはどういう意味かというと、例えば、日本のものは日本人が一番よく分かっている。だから日本に近いほど日本産の骨董は値段が高くなり、逆に遠くなるほど理解されにくくなり、その値段も安くなるという意味です。


どの国の骨董品にも共通してみられる現象だそうです。


今回の例にあてはめると、中国の書籍のことは中国人が一番よく分かっている。だから中国で一番高くなりやすく、逆に日本では割安に放置される事例もあったりするという話だと思います。


基本的には物価水準が違うので、中国古書は日本の方が高いです。でも比較的頻繁に今回の書籍のようなケースもあって、そういう本を狙って収集していくという戦略は長期的にはおもしろそうな結果を生みそうです。


「日本に帰ってきちゃったから、もう中国にいたときみたいに安く本を買えないや」


と隣の芝生をうらやましがって嘆くのではなく、日本にいなければ安く買えない本を買う、というのは今置かれた環境でできるかぎりのことをやるという私の投資戦略に合致します。


まだまだいろいろとやれることはありそうです。