日本ではただの古本としか見られていない中国古書が、中国大陸では既に品薄になってアンティークに準ずるような価格と扱いを受けているというのは以前の記事で書きました。


この状況はおそらく今後もずっと続いていく現象だと思われるので、バブルがやってきても蒐集する書籍に困るということはなさそうです。「古本が高すぎて買えない」なんて現象はバブルになってもまず起こらないと思います(笑)


日本の古書店は戦前や清代以前に出版された線装本のようなクラシックが高価であることには敏感ですが、大陸の方では既に戦後から80年代くらいの出版物も値上がりを始めています。


よくよく考えてみると、清代くらいには当時の出版物には骨董的価値なんてありませんでした。清代中期以降は太平の世で、日本の江戸時代のようにいろいろな文化が栄え、俗に四大蔵書家という人たちも出てきましたが、彼らが蒐集の対象とした書籍は、宋代、元代、よくても明代の良質な書籍までで、清代の書籍はただの本でしかありませんでした。


しかし時は流れ現代になると、宋刻本、元刻本などの貴重な書籍はそのほとんどが公共図書館に所蔵されるところになり、一方清代の線装本さえも馬鹿みたいな値段で売買されるようになりました。


今、現代風の洋装本の中国古書も時間が流れれば、必ず骨董品的な扱いを受けるようになります。


その点は良いとして問題は別にあります。