「ラントを少し買ってみようかなあ」


「おや。今言ったことはボクの考えだからね。ラントで大損してもボクのせいにしないでね」


「いや違う。君の話を聞いて納得できたから、投資してみるんだ。誰かの言われるがままに投資することなんて絶対にしない。僕は僕の考えで投資するんだ」


「そう。そういう考えならボクも安心していろいろ話ができるよ」


「ところで、その本は何の本なの?」


カモネギの目に留まったのは、コアラカモ君が手に持っていた一冊の本でした。タイトルには『カモサギ王国の崩壊』と書かれてある。


「ああ、この本か。カモサギ王国が今どうなってるのかちょっと知りたくてね」


「前回コアラカモ君と会ったすぐあとくらいに、カモサギ王国の国王が国外追放されて、内乱状態に陥ったよね」


「うん。カモサギオはどうなったかなあ」


カモネギはカモサギオに円天を買うよう勧められたことを思い出しました。今思い出しても寒気がします。


「危なかったよ。カモサギオは円天には年五割の金利がつくといっていたけど、二ヶ月も持たなかった。もし円天を買っていたら、ほとんど紙くずになっていたよ」


「いま中央の軍事勢力が軍事費調達のため円天を刷りまくってハイパーインフレでカモサギ王国の人たちは円天を台車で運んだりしてるらしいよ」


「ほんとに?」