「インフレ対策としてはどういうことができるんだろうね?」


「単にインフレ対策というだけなら、どんどんお金を使ってしまえという話だけど、それではあまりにも芸がない。できればインフレ対策に併せて投資もかねたい」


「うんうん」


「となると、何でもいいからお金を使えばいいという話ではなくて、ある程度焦点を絞らなければならない。ボクらが生まれる前のずっと昔、自動車がかつて普及し始めた頃、その価格は戸建て住宅よりも高かった」


「へえ」


「でも今はどうだろう。一部のスーパーカーを除いて、普通の自動車なんて、住宅を買う頭金にも足りないくらいだ」


「うんうん」


「大量生産できる工業製品は普及の当初は製造メーカーも少なくものめずらしさから高額で販売されるけれど、時間の経過とともに過当競争に陥りどんどん値は下がっていく」


「近年だとパソコンなんかまさにそれだね。僕が今使ってるノートパソコンはレノボだけど、昔のパソコンよりはるかに性能が良くて安いしね」


「うん。大昔、自動車の普及始めにそれを買った人はお金持ちだっただろうから自動車価格の下落は何でもなかっただろうけれど、もし投資という観点から見たら、そういう行為はアホ丸出しだ」


「程度の違いはあっても似たような話は数多くあるんだろうねえ」


「現在から過去を見て始めてその推移が分かるんだけど、これまでの事例を見ればある程度予測はつく」


「???」