斉の国では慣習的に奴隷が軽んじられていましたが、刀間だけは彼らをかわいがり地位を引き上げました。


元来、狡猾な奴隷たちは人々の悩みの種であったのですが、刀間だけが彼らを引き取って使い、漁業、製塩、交易などに従事させました。


また、奴隷たちは車馬を引き連れて、地方長官や一国の宰相と交際することさえありましたが、それでもますます彼らを信用して仕事を与えました。


多くの人たちが忌み嫌った奴隷たちの力によって、のちに刀間は莫大な富を蓄えるようになりました。


またこのことから、「自由な身分になって爵位をもらうのがいいか、それとも刀間の家の奴隷のままでいるのがいいか?」という言葉さえ生まれました。


これは刀間が奴隷たちの頭領に自ら金儲けできる機会を与えて、その力を最大限に発揮させたから出てきた言葉でした。