尾張半国程度の小大名だった織田信長が鬼神のような勢いで天下統一にひた走っていく姿が生き生きと描かれています。


作中に出てくる越前の朝倉義景などは、信長などよりもはるかに名門で地理的に京都にも近いのに、おそろしく時勢に鈍重な動きをしています。


一方、時は現代に移って、ファーストリテイリングについて興味深い記事を見つけました。


以下は、ファーストリテイリングの最高執行責任者副社長の潘寧氏の述懐です。


私は学校卒業してすぐユニクロに入社した。私は日本に留学し、商学部修士課程で金融と経済を専攻した。ビジネスや経営に関する勉強をしたのだから、どこかの会社に入って、教科書で覚えた知識が実際に通用するかどうか試したかった。丁度ファーストリテイリングが店長を募集していたので、行って見ようと思った。まさか、面接試験の面接官が柳井さんとは思わなかった。それは1994年、当時ユニクロはまだ小さな会社で、売上はいまの中国市場の売上の1/3にも満たなかった。


私は山口県まで行って面接試験を受けた。面接で柳井社長に会って、すごく衝撃を受けた。中国的な言い方をすれば、当時彼はただの田舎会社の社長で、田舎で生活し、周りは山と畑しかない。しかし、そんな田舎にこういうすごい会社があるとは正直驚きで、彼が語る夢はとてつもなく壮大で、口を開けば、立派な中小企業になるという話ではなく、世界最大の会社、世界一の会社にしたいので、あなたの力を貸して欲しいと言っていた。


(元記事 http://www.chinanow.jp/2014/03/01/article6477/)


柳井さんはど田舎の父親の紳士服店を継いだ二代目ですが、彼よりはるかに条件の良い二代目、三代目の経営者は星の数ほどいたことだと思います。


しかし、それらの経営者たちはファーストリテイリングのような会社を作るには至らなかったようです。


また同じように戦国時代、織田信長よりも条件的に恵まれていた大名は全国に数多く存在しました。


しかし、その多くは越前の朝倉義景に代表されるように先代の遺産を食い潰してしまうか、そこまで至らないでもそれを維持するので精一杯でした。


古今の事例を見ても思うのは、生まれたときの条件で人生が決まるのではない。


その志の有り無しにかかっているのだということが分かります。