幕末に越後長岡藩の家老だった人物、河井継之助をモチーフとした司馬遼太郎の歴史小説です。あまり一般には知られていませんが、戊辰戦争の悲劇の立役者となった人物です。
新潮文庫版では、中巻にてエピソードとして、外国人が俄か成金になって、河井継之助が訝しがる様子が描かれています。そこで河井継之助が聞いた話は、
「日本の金が異様に安い」
というものでした。実際には日本の金が異様に安かったのではなく、1858年に結んだ日米修好通商条約によって、重量貨幣であるメキシコドルと名目貨幣である一分銀の同一重量による交換を認めてしまったために、それに連動する形で日本の小判が異常に安くなってしまったという少し複雑な話です。
詳細は、wiki(幕末の通貨問題)やこちらの小説に詳細に解説されています。
事の発端は、財政難に苦しむ幕府が銀貨を改鋳するたびに銀の含有量を減らしていったのに、額面の価値を下げないことによって改鋳差益を得ようとしたことにあります。
あれでかなりの富が日本から流出したのでしょうね。
国内政治ばかりに気を取られて力を注ぎ、
国際情勢にはとんと疎いというのは
日本の伝統なんですよね┐(´-`)┌。