戦争でバタバタと人が死んだり、仕事も少なくて非常に貧しかった時代というのは、そんなに昔のことではありません。





『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた漫画家の水木しげる先生は、南洋のラバウルでの戦争で左腕を失うも奇跡的に生還し、極貧の中でも漫画を描き続けて、今日の地位を築くに至りました。


『ゲゲゲの鬼太郎』は当然私も子供の頃TVアニメで見て知っていましたが、水木しげる先生がこういう経歴の人だとは、最近まで全く知りませんでした。


ゲゲゲの女房 (実業之日本社文庫)
武良 布枝
実業之日本社
2011-09-09



こちらはNHKの連続TVドラマの原作にもなったそうですが、私はまだワープアに転落する前で、一年の半分くらいは中国に出張に行って働いていた時期なので、全く記憶にありません。


水木しげる先生も奥様も高齢ですがご健在ですので、大昔とはいえない戦前戦後の日本が経た歴史がいかに激動のものだったかはこの二人の自伝的書籍を読むとよく分かります。


一方、高度経済成長期以後の日本は、あまり大きな変化を経ておらず、それ以後に成長した人が、仕事や食べ物が簡単に手に入ることに何の感動を覚えないのも無理はありません。


それがあって当たり前の社会しか知らないからです。


しかし、労働賃金の劇的な向上を経た今では、働ける健康な体さえあれば、何度でも再起可能というのは、動かしがたい事実です。


真面目に働いても食べるものや着る物が買えないという格差は、現代日本には存在しないからです。


つまり、歴史的な視点を持てば、現代においてはどんな投資やビジネスの失敗も本質的には死にたくなるほどのものとはとても言えないはずです。