最近は老後破産とか下流老人とかいう言葉がよく聞かれるようになりました。


金額が減少したり支払い時期のどんどん遅れていく年金だけに頼っていると、老後の生活費をまかないきれず、破産したり下流生活を余儀なくされるという意味らしいです。


せっかく長生きして勝つつもりが、逆に老後破産したり、下流老人になってしまっては悲惨です。


「こんなに長生きするんじゃなかった。もっと早く死んでおけばよかった……」


と涙で枕をぬらす日々。こんな恐ろしい情景が近い将来日本中のあちこちで見られるようになるのでしょうか?


私の推測ですが、まだ若い多くの人にとっては、老後破産や下流老人というのは、実は杞憂に過ぎないと思います。


もっとも、誰も老後破産したり下流老人になったりしないと言えば嘘になるでしょう。実際今ですら年金の支給額が少なくて困っている人はいるからです。


ただ、現在盛んに語られている老後破産や下流老人という言葉は、今の経済情勢や社会状況を前提にして話されています。


30年後や50年後の経済情勢や社会状況って想像つきますか?


少し時間を遡ってみると、5年前にスマホをクリクリしている人はまだかなり少数でしたし、20年前ならインターネットを使っている人はマニアでした。


タイムマシンに乗って、30年前の自分に


「ネットで漫画よんだりアニメ見たり、アホみたいに本買ったりするようになるよ!漫画やアニメは無料ですむし、中古本は無茶苦茶安いよ」


と教えてあげても、


「???ネットって何?」


としか反応できないでしょう。


あるいは50年前の高度経済成長期にタイムスリップして、


「日本は世界屈指のお金持ち国家になるよ。早く株式か不動産を全力買いして!」


とみんなに教えてあげても、おそらくみんな半信半疑で銀行に貯金しかしないでしょう(笑)


つまり、30年後や50年後の世界や日本がどういう状況になっているか分からない以上、現状から想像できる老後破産や下流老人はただのおとぎ話に過ぎないのです。