国民年金を満額受給しても、今なら月額65000円程度のようです。持ち家かどうかという点を除いて考えても、人間一人がこの金額で生活していくのは現状難しいと思います。


ただ、結婚するのが当たり前、離婚するのは珍しい、正社員が当たり前だった世代が今ようやく高齢者になろうとしている段階なので、新たな変化が訪れるのはまさにこれからということになります。


「国民年金しかない単身生活者」でも江戸時代の長屋のように、一人よりは十人、十人よりは百人、百人よりは千人と結集すれば、想像を超えるようなローコストライフが実現する可能性があります。


街レベルの未来長屋ができると、食堂も屋台も朝から晩まで開きっぱなしで、自炊する必要は一切なし、スーパーや病院も高齢者目当てに進出してきて、車なんかなくてもすべて徒歩圏内で生活可能、といったように貧しくともそれなりに快適な生活ができるようになるかもしれません。


未来の娯楽なんて、タブレット端末一つあれば、読書から映画鑑賞、ゲームまですべてすんでしまうでしょうから、個人の居住スペースについては江戸時代の長屋とさほど変わらない程度の方が掃除の手間が省けて逆に楽だということになるかもしれません。


まあすべて妄想の域を出ないのですが、妄想の根拠となるのは、グローバル的な視点です。グローバル的に見れば、月収65000円という収入は決して低くない。


世界における自分の収入と資産のランキングが分かるサイトなのですが、年収780000円は今だと世界上位20%に入っています。グローバル的に決して貧しくない人々が数百人、数千人、数万人と結集すれば……。妄想とは言え、期待してしまいます。


未来の日本の老人たちはゴージャスではないけれど、それなり居心地のいい「ユニクロホーム」で、自炊も掃除もせず、朝から晩まで遊んで暮らしているかもしれません。


その様子をyoutubeで見た新興国の人々が、「これこそ理想のライフスタイルだ。俺も日本人になりたい!」とか「これくらいの金額なら俺だって払える。なぜ我が国にはユニクロホームができないのか」といったコメントをつける。


それに「日本のように(新興国から見れば)高額の国民皆年金制度がきちんと普及していて、平均寿命も長い日本だからこそ成立するビジネスであって、年金支給額も加入率も低く、おまけに高齢になる前に大半が死んでしまう我が国ではこの大規模集合住宅は到底採算に乗らない」といった分析のコメントがつく。


いや、まあすべて妄想です。