ど田舎の田んぼの中の工場でものすごいグローバル化が進んでいたという個人的な体験談ですが、いろいろ書いているとキリがないので、印象的なエピソードをひとつだけ紹介したいと思います。


そこの工場で小耳にはさんだ話ですが、やってくる中国人研修生の質が年々低下しているということでした。昔はなんでも元モデルをやっていたというスラッとしたきれいな子までいたとかなんとか。


日本にいて同じ会社でずっと仕事をしているとピンとこないかもしれませんが、私はこの話を聞いた瞬間にすぐにその理由が分かりました。


おそらくそこの会社では研修生にずっと県内最低賃金程度の給料しか払ってこなかったことと思います。待遇が変わらないのになぜやってくる研修生の質が年々低下するのか?


国内事情だけを見てると、この原因は分かりません。問題の本質は中国の経済成長にあります。


外国人研修制度が積極的に利用され始めたのは、1990年代後半の頃からだと思います。正確な数字は分かりませんが、当時の中国人の平均月収は1万円くらいはあったかもしれませんが、まあ良くてもそれに毛が生えたくらいではないかと思います。


そんな時代に月10万円も中国に送金できたら、一体どれくらいの経済的価値があったのか?想像するだけでもうらやましいことです。


また税制の後押しもあります。どこの国でも大抵そうだと思いますが、高額の収入を得ると高額の税金が掛かってきます。今の日本だと年収2000万円くらいあっても、手取りになると4割近く少なくなるようです。


一方、日本で中国人研修生が中国水準では高額の収入を得ても、日本基準だと低収入になり、税金もさほどかからない。


つまり昔の中国人研修生って、おそらく感覚的には、年収2000万円もあるのに、手取りでも1800万円も残るといった感じだったのではないでしょうか。ブローカーへの借金を払った後、日本での生活費さえ削れれば、現金つかみ取りみたいな仕事している感覚だったのでしょう。


まさに黄金の国ジパングです。


そりゃモデルだって辞めて来るわな。


(もっともこれももうふた昔くらい前の話ですけどね)