白タクのおじさんは最近十数年の中国の不動産市場の変化についても話してくれました。


「2000年代の初頭、100平米のマンションを4万元で広告を出しても誰も買う人がいなかった。ところが、今なら40万元のマンションでも広告を出さなくても売れるが、そもそも40万元ではもうマンションは買えない(苦笑)さらには、深センあたりでは10倍どころではないくらい値上がりしたマンションも多いよ」


「自分が広東の故郷でマンションを買った頃、階下の道路に止まっている自動車なんて全然なかった。しかし、同じ場所に今は隙間もないほど自動車が止まっているよ(笑)」


おじさんは「もー、発展のスピードが早すぎてついていけねー」といった話ぶりでしたが、2000年代前半というと、私が留学で中国に初めて足を踏み入れた時期でもあります。


この話を聞いて、私もまた大変なチャンスを逃したことを実感したのでした。日本にやってくる中国人研修生のごとく、職業など何でもいいから日本で働いて、中国株や中国不動産に投資していれば、今頃はワープアではなく、プチ小金持ちくらいにはなれていたでしょう。


しかるに私が当時やっていたことは、中国でかび臭い古本を片手に誰も読まない研究論文を書くといった一円の価値も生まない作業でした。


過ぎ去った時間は元には戻らず。では今からでもできることは何なのか?