カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

クマさんに学ぶクマ式FX

楽天FXだけリーマンショック(戦慄の未遂事件) その5

今回の件でもう一つ感じたのは、こういう異常スプレッドを提示してしまうFX業者は、事業会社の規模や知名度とあまり関係がないのかなあということです。


自分がランド円でロスカットされたのは、東京三菱UFJ系列のカブドットコム証券で、今回は楽天FX。


どちらもスプレッドの提示については、過去の評判はよろしくなかったようです。


最近、ヒロセ通商が株式を上場させたようですが、自分が今使っているマネパといい、FXトレーダーでなければ知らない弱小会社がこのような事件を起こしたら、会社の存亡の危機に立たされると思います。


ひょっとするとこういう弱小FX業者の方が、命懸けでスプレッドを提示してくれるかもしれません。


結局このような大惨事に繋がる事件の前には、必ず前兆となる小事件が頻発しているので、日頃からFX事業会社の動向を注意深く観察しておくことが大事です。


しかし、今回の件、一部ニュースやブログ記事で取り上げられましたけれど、この恐ろしさが全然世間には浸透しなかったように思います。


ハイレバFXトレーダーは超少数派のようです。


とにかく、また悲劇が繰り返されることは間違いないでしょうから、私の目に止まったら、再度記事にしたいと思います。

楽天FXだけリーマンショック(戦慄の未遂事件) その4

ドル円で15円の値幅というと、スプレッドどころではなく、一年間で動く変動幅レベルです。これを一瞬の間に出してしまったのは言い訳不可能ですので、楽天FXの事後対応は早かったと思います。


とはいえ、事後対応を二段階に分けてしまったりとかしてますので、「苦情で炎上してようやく腰をあげたのか」と勘ぐってしまいます。


今回の件で恐ろしいと思ったのは、結局FX事業会社のさじ加減一つで、自身の破産までおっかぶせられる可能性があるということです。


「急激な相場変動でスプレッドが広がってしまいました。当社はカバー先の提示したレートを表示しただけで責任はありません。約款には同意した上でのトレードですよね?(ワープアが一瞬スプレッドが広がったくらいでロスカットされてんじゃねーよ。うちの大半の顧客様は低レバレッジの長期運用だから誰も微動だにしてないわ。わめいてるのはおまえだけ)」


と、もしFX事業会社にシラをきられたら……。裁判沙汰になるか、ワープアトレーダーなら泣き寝入りするしかありません。


実はこれに対抗する策はひとつだけあるのですが、今のようにデイトレで勝てもせず、取引枚数も増やせないうちは杞憂でもありますので、また私が常勝トレーダーになったときには記事に書きたいと思います。(そんな日来るのか?)

楽天FXだけリーマンショック(戦慄の未遂事件) その3

昨年、私がランド円のスプレッド超拡大事件でロスカットされたのは、流動性の低い通貨をレバレッジをかけたままで長期間ホールドし続けたためです。


その反省からドル円というユーロドルに次いで流動性の高い通貨ペアのデイトレードに切り替えたのですが、ドル円ですら15円ものスプレッドが開いてしまった……。


結局、楽天FXはレートの誤配信ということで、事後対応を行いましたので、惨禍に巻き込まれた人たちの被害は最小限に留まったと思いますが、流動性の高い通貨のハイレバレッジトレードで少ないpipsでも十分な収入を得るという私の取らぬ狸の皮算用にはきな臭い雰囲気が残ることになりました。


というのも、事件のあった夜、楽天FXは2時間後くらいにはレートの誤配信を認めて、事後対応を行うことをメールで通知したのですが、その対応が怪しげなものでした。


なんとレートが飛んだ時点で、ロング、ショートのポジションが決済されたものとして、返金対応を始めたのでした。


当時、楽天FXでレートが飛んだ近辺が大底になったので、ショートのポジションを持っていた人は、底値で利確できてラッキーということになるのでしょうが、ロングのポジションを持っていた人は、無理やり決済させられたことになり、納得いかないことでしょう。


「なんじゃこりゃ?」


と思って、推移を見守っていたら、翌日になって、楽天FXはポジションの復活を希望する人にはその対応を行う旨を通知したのでした。


「最初からそうすればいいのに……」


店頭FXという相対取引の曖昧さと危うさが露呈した事件でした。

楽天FXだけリーマンショック(戦慄の未遂事件) その2

「はて、楽天被害者の会って何?」


と思って、2ちゃんねるのスレッドを開いて見たのですが……。
まずはネットで拾ったこちらの画像をご覧下さい。

bid
































ask
































Spread











「スプレッドが1503.9pips!!!」


一瞬何を見たのかよく分かりませんでした。ほんの0.2秒くらいの出来事だったようですが、当時のドル円のレートは110円台でしたので、そこを中央値にして約15円ものスプレッドが開いたのです。


ちなみに昨年の晩夏、私がカブドットコム証券でランド円のポジションが狩られたときも比率にして同じくらいのスプレッドが開いたのですが、ask(買い)は異常値なし、bid(売り)のみ異常スプレッドが表示されました。つまり、あのときはロングのポジションだけが狩られたわけです。


今回の楽天FXの異常スプレッドでは、ロングとショートのどちらのポジションもロスカットされたことでしょう。


結局、楽天FXはレートの誤配信ということで、事後対応を行うようですので、惨禍に巻き込まれた人たちも被害は最小限に留まると思いますが、今回の件はいろいろと考えさせられるところがありました。


最初、この事件を見たときには、自分のトレード戦略が根底からひっくり返されたと思い、相当へこみました。


「もし100枚でデイトレしてたら、いきなり-750万円……。破産じゃん」


「ワープア脱出の望みは絶たれた……。もうダメポ _| ̄|○ 」

楽天FXだけリーマンショック(戦慄の未遂事件) その1

昨夜、かなり衝撃的な事件があったのですが、ネット界隈ではあまりニュースにも話題にもなっていないようなので、私の路地裏ブログでは、記事に残しておこうと思います。


さて、事件は昨夜のことです。例のごとく、1枚で慎ましくドル円のデイトレードを行っていたときのことです。


私のトレードスタイルは、逆指値を-6pipsで入れるスキャルピング風のデイトレードで、損失を小刻みに積み重ねる一方、利が乗ったポジションは数時間でも持ち続けるというものです。


さて、昨日の夕方頃からどんどん円高になり、下がっていくチャート。逆張りで仕掛けては何度も損切りを繰り返し、既に損失は40pipsを越えていました。


「ああっ、今日もダメポ _| ̄|○ 」


諦めかけた午後九時過ぎ……。


なんと、突如円安に振れ、火柱が吹き上がるようにチャートが上昇し始めます。


「おおっ、こっ、これは東南の風。いまじゃ、ものどもかかれ!」(三国志風)


結局、なんとか+20pipsでその日のトレードを終えることができました。


「でも、結構噴き上げたなあ。何かニュースでも出たのかな?」


と思い、2ちゃんねるの市況2を見にいったら、「楽天被害者の会」なんてスレッドが立っています。


「はて?」と思って開いたら……。


(未遂で終わったけれども、戦慄の事件については次回)

なんでも起こりうる世界 その13


今回読んで救われた本です。


邱永漢先生のような傍目には大成功の人生を送ったように見える方も幾度となく大ピンチに襲われたそうです。


そのときの経験から、いかにして危機を脱出するかについて書かれています。


投資やビジネスで失敗して死にたくなった人は、まずは踏みとどまって、この本だけでも読んでみるべきです。


そもそも何も挑戦しなければ、失敗することはありませんが、成功することも当然ありません。





『チューリッヒの公理』の中の登場人物のシルヴィアは、投資したお金の四分の一を失った友人のメアリーに同情しましたが、彼女が得たのは、「投資したお金の四分の一も失わない」だけの人生でした。


一方、メアリーは幾多の相場の荒波に揉まれながらも最終的には莫大な資産を築きました。


自分ではリスクを取ることなく、失敗した人を笑うものは、最後には自分が笑われる立場になるのです。


今回、南アランドロスカット事件はとりあえず私の中で一つの結末を得たわけですが、同様のことは誰の身にも起こりえることだと思います。


アクセス数のほとんどないブログですが、時間の経過とともに骨董品のように徐々に注目されていくかもしれません。


あとから来る人たちのために、私のささやかなお宝書籍の中の言葉を送りたいと思います。

qiu1












qiu2












「天国にいる人は自分のいるところが天国であることに気づかない」


お金を失ったぐらいのことは、過去の悲惨な歴史に生きた人々に比べれば、何でもない。


最も恵まれた天国のような現代に生きる私たちは、どんな失敗や損失からでも立ち直れるはずです。

なんでも起こりうる世界 その12

戦争でバタバタと人が死んだり、仕事も少なくて非常に貧しかった時代というのは、そんなに昔のことではありません。





『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた漫画家の水木しげる先生は、南洋のラバウルでの戦争で左腕を失うも奇跡的に生還し、極貧の中でも漫画を描き続けて、今日の地位を築くに至りました。


『ゲゲゲの鬼太郎』は当然私も子供の頃TVアニメで見て知っていましたが、水木しげる先生がこういう経歴の人だとは、最近まで全く知りませんでした。


ゲゲゲの女房 (実業之日本社文庫)
武良 布枝
実業之日本社
2011-09-09



こちらはNHKの連続TVドラマの原作にもなったそうですが、私はまだワープアに転落する前で、一年の半分くらいは中国に出張に行って働いていた時期なので、全く記憶にありません。


水木しげる先生も奥様も高齢ですがご健在ですので、大昔とはいえない戦前戦後の日本が経た歴史がいかに激動のものだったかはこの二人の自伝的書籍を読むとよく分かります。


一方、高度経済成長期以後の日本は、あまり大きな変化を経ておらず、それ以後に成長した人が、仕事や食べ物が簡単に手に入ることに何の感動を覚えないのも無理はありません。


それがあって当たり前の社会しか知らないからです。


しかし、労働賃金の劇的な向上を経た今では、働ける健康な体さえあれば、何度でも再起可能というのは、動かしがたい事実です。


真面目に働いても食べるものや着る物が買えないという格差は、現代日本には存在しないからです。


つまり、歴史的な視点を持てば、現代においてはどんな投資やビジネスの失敗も本質的には死にたくなるほどのものとはとても言えないはずです。

なんでも起こりうる世界 その11

投資のヒントを得るために戦前のことについて書かれた書籍を最近多く集めていたのですが、例えば小説ひとつとってみても戦前生まれの人が書いた当時の物語と現代の作家が書く戦前の物語では細部に大きな違いがあります。


戦前生まれの小説家が書いた物語を読むと、ガリガリに痩せてボロボロの服を着た数多くの登場人物の描写が生々しく、いかに昔の日本が貧しかったかよく分かります。


一方、現代の小説家が戦前の物語を書いても同時代に生きた経験がないため、そういう細部のリアルな描写はできません。そのため何かもっと別なものを小説で表現しようとします。


結局、歴史を振り返ってみると、現代に生きる我々が間違いなく一番恵まれています。


仕事は巷に溢れており、食料品や衣料などの生活必需品は激安になり、招集状一枚で戦場に送られることもありません。


就職氷河期という言葉が出来て久しいですが、たかが就職の氷河期など氷河期のうちには入りません。本当に悲惨だったのは戦争世代です。


成年男子の二人に一人は徴兵され、うち五人に一人は死亡し、民間人にも犠牲者は出たため、総人口の3~4%は死亡しています。


当時は「あの人も死んだ、この人も死んだ」とリアルに近所話で話されたことでしょう。今の時代ではありえないことです。


つまり、自分の意思とは無関係に命を失った人々に比べれば、たかがお金を失ったことなど損失というのもおこがましい。

なんでも起こりうる世界 その10

暴落したときや万が一の出費にそなえて、余剰資金を持っている人は多いと思います。しかし、私の場合は常に全力投資なので、余剰資金は、ほぼゼロ。しかも今回のように危険な新興国通貨で中途半端なレバレッジがかかっている状態でした。


そういう状態でロスカットが起こるとどういうことになるかというと、所有している株式を値下がりしたドン底でブン投げないといけなくなります。


業火に焼かれる地獄絵図のような状態です。


含み益のたっぷりあった中国株や買ったばかりのロシア株を売り払い、当然日本株もバナナの叩き売りのように売らざるを得ませんでした。


ここ四年ほどで蓄えた株式投資の決済利益や含み益のほとんどすべてを吐き出し、丸裸にされたような形になりました。


ほんの一瞬の現れたZAR/JPYのレート7.592のために。


総資産に対するランド円のレバレッジは2倍にも達してなかったので、通貨の暴落による7.592なら対応できたかもしれませんが、業者のスプレッド拡大リスクを見落としてしまっていたことが、今回の失敗のすべてです。


例えるに、三国志演義の曹操軍なら、赤壁の戦いで大敗しても、北方に強大な地盤があるため、数年自国に引きこもれば、国力は瞬く間に回復するでしょう。


それに比べて、こちらは地盤とする土地もない黄巾賊の残党のような中年フリーターです。そもそもの兵力が過小な上に、一度でも大敗すれば、兵力の供給源はどこにもありません。


一時はすべてのやる気を失いかけました。

なんでも起こりうる世界 その9

小説三国志演義では、諸葛亮が祭壇を築いて祈祷して東南の風を呼び寄せたというような描写がありますが、実際のところは平生の気象観測から冬至前でもまれに猛烈な東南の風が吹くことがあることを知っていたとか、民間伝承ではドジョウを使って、東南の風の吹く日を予測したとか、諸説あるそうです。


なにはともあれ、季節外れの東南の風が吹き荒れて、呉の将軍、黄蓋はその風に乗って、枯れ柴や油を満載した偽りの降伏部隊を曹操軍の戦闘船の中に突入させます。


数珠繋ぎになった曹操軍の戦闘船は逃げることもかなわず、猛火は次から次へと飛び火して、壊滅的な打撃を受けることになりました。


曹操軍の失敗は、東南の風は吹かないという前提条件を信用し、完全にそれに寄りかかった布陣をしてしまったことにありました。


同じように私の今回の失敗は、リーマンショック級の不況がいきなりやってくるわけないという前提条件を信用し、完全にそれに寄りかかったポートフォリオを敷いてしまったことにありました。


ZAR/JPY 7.592というレートは、リーマンショックの最安値よりもさらに30pips下です。


つまり、リーマンショック以上のどん底になったのに、リーマンショックすら来ると思っていなかった私のポートフォリオは猛火に焼き尽くされる曹操軍のように壊滅的な打撃を受けました。
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