カモネギFX

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トルカモの不思議なアンティーク投資

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その8

ヤフオクでたまたま安政一分銀を購入したところから、幕末の金流出事件を詳しく調べることになったわけですが、外国人たちが大儲けした話は、150年以上前の出来事でありながら、少しも古臭くない話のように感じました。


外国からの圧迫によって、一時的に異常な銀高になったために、それによって利益を得る層と損失を被る層が出てきたわけですが、現代でもよく似たような話はあります。


例えば、発展途上国に日本人が旅行に行ったときに感じるプチ金持ち感や、当地で日本人駐在員が王侯のような暮らしをできるのも各国に強制しているものではないとはいえ、円高が原因です。


幕末の外国人たちが優秀だったからボロ儲けできたわけではないし、また現代の日本人駐在員が発展途上国の社員の10倍仕事ができるから王侯のような暮らしをできるのではなく、それをもたらしたのは銀や為替レートの一時的な歪みです。


円高について言えば、発展途上国の経済発展にともなって、かの国の通貨価値が上昇するのは火を見るよりも明らかですので、今のうちからその国の株式や不動産に投資しておけば、そのギャップが埋まっていく過程でボロ儲けできます。


理論的にはものすごくシンプルな話ですが、働いて、TV見て、友達と遊んで、というだけの生活だと全く気づかないかもしれません。


どうも過去の歴史の中にお金持ちになるためのヒントが数多く隠されているように思います。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その7

米国大使ハリスはほとんど素寒貧の状態で日本にやってきていましたが、この金銀交換比率のゆがみを利用して、散々儲けたようです。またこれは物価だけではなく、日本人の人件費も安いということにもなり、中国からつれてきた使用人よりも日本で囲った妾の法外な手当ての方が安いとかいった状態をハリスは満喫します。


外に向けてはボロ儲けし、内においては贅沢三昧をする外国人がいる一方で、物価が上昇し生活に汲々とする日本人。


外国人や幕府要人を狙った殺傷事件が起こり始めたのも、原理や理屈は分からなくとも、開国貿易が原因であることを直感的に理解した人々の行動でしょう。


結局、この混乱を収めて金の海外流出を止めるためには、金銀の交換比率を国際的な水準に合わせる必要がありますが、そのことが経済的には幕府崩壊の原因の一つとなりました。


つまりこれは小判の金含有量を3分の1にするか、一分銀の銀含有量を3倍にするかの二択になるわけですが、銀の含有量を3倍するほどの銀は日本にはなかったため、金の含有量が3分の1になった万延小判が発行されることになります。


これによって、1両は従来の3分の1の価値しかなくなり、物価は3倍にむけて急上昇することになります。物価の上昇を価格にすぐ転嫁できる商人はよいですが、それができない庶民や武士の生活は困窮します。


さらには金銀交換比率が適正なものになるということは、幕府もまた一分銀発行による莫大な利益を失うことになります。これが既に財政難に陥っていた幕府にとって経済的な致命傷となりました。


倒幕へむけて一挙に動き始めた時代の背景にはこのような経済模様がありました。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その6

当時の日本の物価は中国の沿岸部などに比べて割安というわけではなく、逆に多少割高な状態だったようです。


しかし、日米修好通商条約を結んだことによって、外国人が日本に銀を持ち込むと、その金銀交換比率は約1:5と国際的な交換比率の3分の1になりました。


つまり、銀の購買力が3倍ということになり、日本は何でも物価の安いパラダイスのような状態になったわけです。


そこで外国人が一番手っ取りばやく儲ける方法は、銀を金と交換して、海外に持ち出すことだったのですが、以前書いたように闇レートでは銀の価値がどんどん下落していきます。


次に彼らが取った行動は、手っ取り早く中国で売りさばけそうな日本の物産を買い占めることでした。


なにせ、銀の購買力が3倍になったため、通常なら売買差益の出ないような商品でも右から左へ動かすだけで、ボロ儲けできます。


外国人の買占めによって、日本の様々な物価が急上昇し始めます。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その5

wikiに詳細が詳しいですが、1ドル=3分と為替レートが決まったことによって、どういうことが起こったかというと、


メキシコドル銀貨4枚を日本へ持ち込む→日本で1分銀12枚に交換→それをさらに小判3枚に交換→その後、小判を海外へ持ち出せばメキシコドル銀貨12枚相当の価値が出る


と名目レート上は、3回金銀を両替するだけで、3倍の利益が出るようになったのです。実際には輸出入の経費もかかりますし、それ以外にも問題はありました。


それは日本の商人たちも一分銀が名目貨幣であり、銀の含有量が全然足りないことを知っていて、幕府の公式レートが1両=4分であっても、誰もそのレートで小判と一分銀を交換しようとするものはいなかったということです。


つまりこの時期までは、一分銀と公式レートで交換するには全く割りの合わない小判は秘匿されて、市場にはほとんど出回っていませんでした。


では、洋銀との交換を渋る幕府を恐喝して一分銀を手に入れた外国人たちはその後どうやって日本の小判を手にいれられたのか?


米国大使ハリスのように権力を持って、公式レートの1両=4分で小判を集めさせるものもいれば、それができない一般の外国商人たちはプレミア価格を上乗せすることで、小判を集めようとしました。


つまり、「1両=4分ではなく、1両=6分でどうだ!」といったふうに。


すると小判は1両6分から、7分、8分と闇レートでどんどん値上がりしていきます。


事ここにいたって、日本人も気がそぞろになってきます。それまで秘匿されて、市場に出回らなかった小判が、続々と秘密裏に横浜に持ち込まれるようになっていきました。


実は1両=9分でも国際的な金銀交換比率からすると、かなりの金安ですが、幕府が1両=4分という公式レートを敷いている日本だと、日本の商人にとっても魅力のある取引になったようです。


さて、ただ1両=9分までレートが上がってしまうと、外国人にとっては、うまみの少ない取引になってきます。そこで彼らが次に取った行動とは?

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その4

ハリスの要求に対して、幕府側では、


「あなたたちの持ってきたメキシコドルは、言うなれば銀塊のようなもの。日本は金本位制であって、一分銀はその補助通貨なのです。日本では幕府の信用力によって、銀4分が金1両と交換できるので、国際的な金価格を考慮すると、1ドル=1分というのが妥当なラインです。外国の銀塊と日本の銀を使った通貨という異なる性質のものを直接比較するのではなく、金対金の内外価格をきちんと見てください」


と押し切れれば良かったのですが、この問題を正確に理解している官僚が左遷されたりということもあって、結局ハリスの勢いにのまれて、日米修好通商条約で金銀等価交換を認めてしまいます。


これによって、1ドル=1分ではなく、1ドル=3分の為替レートが成立することになりました。現代風に言うならば、日本としては1ドル120円にしたいところが、1ドル360円になってしまったというような感じです。


「円安って日本にとっていい話ではなかったけ?」といういうのはあくまで産業を起こして輸出できる製品を持ったあとの話であって、幕末の日本では日本の物産が3分の1の価格で外国人に買い占められるという事態を起こすだけでした。


まずその矛先は小判に向けられます。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その3

例えば、天保一分銀は、一分と銘打って、4枚で金1両と等価交換できるはずですが、金1両=銀60匁(匁=3.75g)とする幕府の公定レート(市場では変動相場制)からすると、実際にはその3分の1程度の銀(2.3匁=8.66g)しか含まれていませんでした。


つまり、天保一分銀は、本来用いるべき3分の2の銀を使わず、幕府の権力によって3倍の価値を世間に強要し、使わなかった3分の2の銀を幕府の収入として取り込んでしまう性質の通貨でした。


さて、このことがなぜ幕末日本にやってきた外国人にボロ儲けさせる機会を与えたかというと、外国人たちが自分たちの持ってきた洋銀(メキシコドル)と一分銀を計量交換することを要求したからでした。


「同じ銀を同じ重量で等価交換するのに何の不都合があるのか?」


という理論です。


しかし、一分銀は、先に述べたように名目価値の3分1程度の銀しか含有しておらず、残りの3分の2の価値は幕府の権力によって強制的に付与されているものでした。


言わば、3分の1が銀貨で、3分の2が紙幣のようなもの。


つまり、日本の一分銀は金との交換比率によって価値を定められている金の補助通貨であって、海外の銀貨と直接計量交換できる性質のものではありませんでした。


もしそうするならば、上方で流通している丁銀や豆銀板のよう秤量貨幣を用いなければなりません。これなら銀の品位と重量でスバリ価値が決まるので、問題ありません。


さて、幕府は国内金銀の交換レートから、1ドル=1分という為替レートを米国大使のハリスに提示したのですが、ハリスの方では納得がいきません。


「なんで俺たちの持ってきた洋銀(メキシコドル)が、その3分の1程度の銀しかない日本の一分銀に交換されなきゃならんのだ!1ドル=3分になるのが当然だろう!」


といった感じです。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その2

峠 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社
2003-10-01



幕末に越後長岡藩の家老だった人物、河井継之助をモチーフとした司馬遼太郎の歴史小説です。あまり一般には知られていませんが、戊辰戦争の悲劇の立役者となった人物です。


新潮文庫版では、中巻にてエピソードとして、外国人が俄か成金になって、河井継之助が訝しがる様子が描かれています。そこで河井継之助が聞いた話は、


「日本の金が異様に安い」


というものでした。実際には日本の金が異様に安かったのではなく、1858年に結んだ日米修好通商条約によって、重量貨幣であるメキシコドルと名目貨幣である一分銀の同一重量による交換を認めてしまったために、それに連動する形で日本の小判が異常に安くなってしまったという少し複雑な話です。


詳細は、wiki(幕末の通貨問題)やこちらの小説に詳細に解説されています。







事の発端は、財政難に苦しむ幕府が銀貨を改鋳するたびに銀の含有量を減らしていったのに、額面の価値を下げないことによって改鋳差益を得ようとしたことにあります。

銀貨でボロ儲けした幕末の外国人たち その1

安政一分銀が制作された経緯はwikiの記載が詳しいです。


日米和親条約締結により安政6年(1859年)に開港され、外国人大使の小判入手が目的の洋銀から一分銀への両替要求が急増し、貿易港周囲における市中の一分銀が払底したため、幕府に対し一分銀の増鋳が要求された。しかし一分銀の払底は解消されず、ハリスは洋銀を一分銀に改鋳して発行するよう提案し幕府もこれを受け入れ、同年8月13日より洋銀と同品位の一分銀が通用開始されることになった。このとき発行されたのが安政一分銀(あんせいいちぶぎん)であり、新一分銀(しんいちぶぎん)とも呼ばれる。


つまり、当時流通していた天保一分銀が、外国人大使や商人たちがもたらした洋銀との膨大な両替要求によって、市場で供給不足に陥ったために、幕府が新たに手に入れた洋銀を鋳潰す形で制作したのが、安政一分銀ということになります。


では、そもそもなぜ外国人たちは、日本の一分銀を手に入れて、小判と交換したがったのかという話になります。


高校の日本史の教科書とかには、サラッと数行で書かれている話ですが、結構なドラマがありました。

日本銀貨収集 その1 安政一分銀

ichibugin











ヤフオクで購入した安政一分銀です。3000円というのは、前所有者の購入価格でしょうか?


私は今回4枚7000円で購入しました。相場を見ると、もっと安く買えたようにも思いますが、初めての日本銀貨入手ということで、あまり価格にはこだわらず、即決価格で購入しました。

日本貨幣カタログ 2015
紀伊國屋書店
2014-11-07






日本貨幣カタログを見ると、安政一分銀にはいろいろな型式のものがあって、希少なプレミア価格になっているものもあるようです。そうではないありふれたものなら、ヤフオクで大体1枚2000円以下の価格で買えそうです。


ただ、初めての日本銀貨購入ということで、まだあまり詳しい状況は分かっていません。


安政一分銀、高くはないので集めてジャラジャラさせると、幕末にタイムスリップした気分が味わえるかもしれません。やってみたい(笑)


ところで、安政一分銀について、タオバオやebayを観察してみると、やはりヤフオクよりは割高価格です。つまり、日本銀貨は流通量の一番多い日本で買うのが一番安いというケースが多そうだということが分かります。


もっとも個別のケースでは様々だとは思いますが。


さて、アンティーク投資は株式投資よりもかなり不確実な上にリターンも高くないと思いますので、主要な投資対象にはなりませんが、実物を所有するというおもしろさがあり、さらにはそのアンティークにまつわる周辺のエピソードを調べているうちに他の投資にも役立ちそうな情報を得ることもあります。


次回以降は、幕末に日本でボロ儲けした外国商人の話です。


日本銀貨収集の始まり

中国で発行されているパンダ銀貨をタオバオで買ったことは以前の記事に書いたことがあります。


panda












2013年と2014年発行の1オンス銀貨です。発行枚数は膨大なので、プレミア価値は皆無に近いです。カナダのメイプルリーフ金貨なんかと同じ位置づけで、いわゆる政府の金儲けのために発行されるものです。


ただ、絵柄が毎年変わるので、収集癖をくすぐられます。


円安のためebayやタオバオではなく、ヤフオクばかり見ていると、2015年の1オンスのパンダ銀貨が売られていました。


4000円もしないのなら買おうかとマウスのボタンをクリックしそうになりましたが、タオバオの価格が気になります。で、タオバオの価格を見てみると、やはりそちらの方が安い。


とはいえ、タオバオで買うと、決済手数料や送料で結局ヤフオクで買うよりも高くつきそうです。


「ぐぬぬ……」


「いや、まてよ?」


円安で尚且つ日本にいるということは、わざわざパンダ銀貨を買わなくても、日本で一番安く売られている銀貨を買えばいいのではないか?


別にパンダ銀貨にそれほど愛着があるわけではなく、私の目的は資産形成にあります。


このパンダ銀貨自体はたかだか数千円の買い物ですが、長期的にいろいろなものをコレクションしていくとなると、でたらめに好きなものを買うのと、「今自分が買えるものの中から最も割安なものを買う」のとでは、長期的にはかなり所有コレクションの市場価格に差がつきそうです。


思えば、私が中国に留学していたときに日本料理店に行ったことはほとんどありませんでした。明らかに割高だし、現地の飲食店にはもっと安くておいしいものがたくさんあったからです。


日本食を食べる必要性を感じなかったのです。


同じように日本でわざわざ割高の中国産パンダ銀貨を買わずとも、世界的に見て、日本市場が最も割安になっている銀貨があるのではないか?


そしてそれらもまたパンダ銀貨と違った美しさを持っているのではないか?
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