カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

2012年08月

バブルは必ずまた来る その1

横文字ファンドや英語企業に投資せずとも最も安く海外市場の成長率を取り入れる方法。


それはただ単に日本の老舗企業の株式を保有することです。


このブログにつまんないことしか書いてないですが、刺激の足りないシンプルなことが多分一番安上がりです。


現在、国内大手企業で日本でしか事業展開していないところの方が少なく、日本企業の実態は既に日本発祥のグローバル企業か日本に重点を置くグローバル企業になっています。


つまりただ単に日本企業の株式を保有しているだけで海外市場の成長率を一定程度取り込めるポートフォリオになっていると言えます。


今は投資家が海外海外へと言うように企業だって当然海外を目指しています。二人して同じことをやる必要はなく、より安くできる方にまかせてしまえばいいのです。


タケダやトヨタやソフトバンクの株を買って寝てればいい。


「日本にはアップルのような企業はないじゃないか」


とは言うなかれ。隣の芝生は青く見えるけれども、自分の家の芝生だってとっても青い。


日本にバブルは必ずまたやって来ます。

隣の芝生は青く見えるけれど……

海外株式に手を出さないのも投資信託に手を出さないのと同じような理由です。


今海外株式の銘柄は日本の証券会社でも比較的簡単に買えるようになっていますが、手数料、税金の面からすると割高です。


「遠くのものは高くなるし、情報も入りにくくなる」


一般的に言えることが、海外株式についても当てはまります。


隣の芝生は青く見えるけれども実際はそんなに良いわけでもないというのは、中国と長く関わってきた私が持つ印象です。


海外は中国しか行ったことありませんが、外から見た日本はありえないほど優秀な国です。この国の企業を信用できないと言うのなら、一体どこの国の企業が信用に足るというのか?


日本の各種メディアは何かにつけて日本を叩きたがりますが、単に「隣の芝生は青い」と思いたい読者、視聴者の妄想を満たしてあげているようにしか見えません。


もっとも国内市場は先細りだし、成長著しい海外市場の成長率をポートフォリオに組み込みたいよねというのは分かります。


一番安く海外市場の成長率を取り込む方法は当然あります。

近所の地理には自然と詳しくなること

個人が株式投資する場合、業界、業種を変えれば、七つから九つくらいの企業でも十分リスク分散できているかもしれません。


数十社、数百社の株式に分散投資しても、株式自体が持つリスクからは逃れられません。リーマンショックのときに独歩高の銘柄なんて一つもなかったように。


つまりインデックスファンドと言えども、リスクは個別株と同じようにあるのであって、その過剰ともいえる分散投資のためにコストを支払っているということを言う人はあまりいません。


インデックスファンドを投資対象から外したいもう一つの理由は、情報の蓄積がないことです。


個別株を買うと定期的に事業報告書や株主通信が届くようになります。横目で眺めているだけでも会社の状況がよく分かるようになります。


また自身が所有している銘柄のニュースについては敏感になることでしょう。良い知らせもあれば、悪いうわさもあり、会社に対する理解が深まります。


それだけでなく、自ら所有しているだけに日々の銘柄の値動きにも敏感になります。特に悪い材料があるわけでもないのに割安圏に落ちていることが分かれば、買い増しなどもできます。


近所の地理には時間が経てば経つほど自然と詳しくなります。


同じように直に株式を所有している企業については、何もしなくても自然と詳しくなっていきます。


一方、インデックスファンドは10年持とうが20年持とうが何の知識も情報も増えません。


何か損している気はしませんか?

インデックスファンドの価値とコスト

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理
著者:バートン・マルキール
販売元:日本経済新聞出版社
(2011-06-18)
販売元:Amazon.co.jp



著名な書籍なので、既に読まれた方も多いかと思います。この本を読んでインデックス投資に走られた人も数多くいることでしょう。


この書籍の内容を無理矢理一言にまとめてしまうと、


「アクティブファンドを運営するプロのファンドマネージャーの給料は高すぎて、単にインデックスファンドを買っている方が彼らの給料分のコストをカットできて、リターンがよくなるよ」


というような話です。舞台はもちろんアメリカ市場ですが。


バートン・マルキール博士の言っていることは多分本当でしょうが、私はさらに考えます。


「インデックスファンドはアクティブファンドよりも管理コストが低く、それだけでリターンが高くなるのは理解できるが、相対的に安いだけでタダではない」


「お得よ、お得よ」といっても、この世にただで売り出されている商品はありません。


インデックスファンドの商品価値は、個人が簡単にはできないくらいの幅広い銘柄に分散投資できることと、日経平均株価やTOPIXに値動きを連動させられることにあります。


でも、何百銘柄にも分散投資したり、投信の基準価格が常に日経平均と連動している必要はあるのか?


そしてそのための費用をインデックスファンドに支払う価値はあるのか?


と考えると、適当に個別株に分散投資して、ほどほどに日経平均株価と連動しているくらいでいいんじゃないかという考えが浮かんできます。


インデックスファンドを外せば、投資コストが下がる。


その分だけリターンが高くなる可能性が上がる。

永続する会社が本当の利益をもたらす

私の場合、株式投資のフレームワークはおおむねこの書籍に寄っています。

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
著者:ジェレミー・シーゲル
販売元:日経BP社
(2005-11-23)
販売元:Amazon.co.jp




この書籍の内容を無理して一言にまとめてしまうと、


「昔からずっとある古びた企業の株を持ち続けて、配当もすべて再投資し続けていたら、日経225採用銘柄の入れ替えに伴って、ポートフォリオ組み換えするよりもリターンは良かったんだよ」


というような話です。舞台はもちろんアメリカ市場ですが。


株式投資の将来に希望が持てる内容ですので、極論ばかりがまかり通っている今、一読をお勧めします。


さて私の場合は日経225銘柄を中心に30銘柄程度を「分散所有」しています。「分散投資」といわないのは、資金的な需要が発生しない限りは、基本的に株式の売却をしないつもり、ほぼ貯金に近いスタンスだからです。


ネット証券の爆発的な発展によって、株式投資は貯金と同じレベルの手間と手数料でできるようになっています。20年前とは世相が完全に変わりました。


出始めの今は最小単元株しか所有してないものも多いです。会社とのつきあいが長くなり、会社の良し悪しが見えてくれば、買い増し、あるいは売却などを行うこともあるでしょう。


海外銘柄と投資信託には手を広げません。理由は二つ。

危なくない株、危ない人の心

現在日経平均株価はPBR1倍前後をうろうろしており、戦後すぐに上場してから現在まで続くような老舗企業でも配当3~5%ぐらいの銘柄がゴロゴロしています。


一方、1年ものの定期貯金は利率の高いネット系の銀行でも0.3%程度です。配当だけを見比べてみても、株式の利回りとは10倍程度の差があります。


もちろん企業は利益のすべてを配当として放出してしまうわけではないので、キャピタルゲインを考慮すると実際はそれ以上の差があります。


何も考えずに銀行に貯金しているような人には厳しい時代になりました。


株は危ない。


暴落を繰り返すたびに刷り込まれてきた記憶です。


しかし本当に危ないのは株の方ではなく、それを扱う人間の心の方です。


売買する人間の思惑は別として、日本を代表する企業群は、アップダウンを繰り返しつつも、堅実に配当を出しつつ、利益を積み重ね続けてきました。


オイルショックもバブル崩壊もリーマンショックもありとあらゆる荒波を乗り越えてきた日本を代表する老舗企業が次から次へとバタバタ倒産してしまうようなことが起こりうるのでしょうか?


もしそんなことが起こるなら、それは下請け、取引関連会社ともに連鎖倒産する日本崩壊のとき、しいては世界の最後のときですので、株式の心配をする必要などなくなっているでしょう。


日本を代表する老舗企業群からなる株式のポートフォリオのリスクは極めて低いと思います。


それを扱う人間の方に問題がない限りにおいては。

老いから生活を守れる資産

天才トレーダー、ジェシー・リバモアの悲しい最後を知ると老後というものについて考えざるを得ません。


リバモアに限らず、様々な分野の高名な人物もその晩年にそれまでの功績を一気に台無しにしてしまうような失敗を犯すことが多々あります。


つまり、天才もみな老いるのです。


まして凡人たる我々、その老後の生活をどのように守ればいいのか?


今はまだ体が動きます、もの忘れをすることもありません。働ける限り、どんな失敗も借金も挽回可能です。


しかし、人はみな老いて、やがて走れなくなり、目がかすみ、耳が遠くなります。まともに働けなくなったときに、「まだ働かないといけない」という状況は本当に救いのない状態です。


つまり、老いて何も満足にできなくなるその前に、複利の法則で自動的に増加する資産を築いておく必要があります。


寝たきりになろうが、ボケようが、ただ単にこの世に生きているだけで、自動的に増加し続ける資産。


私の場合、日本株を適度に分散して半永久的に保有するという方法にいたりました。

読者の損は作者の得

お釈迦様は相手の状況によく合わせてお話をして、画一的な説法をすることはなかったそうです。


聞き手の状況や心理は皆異なるので、すべての人が共有できる絶対的な真理というものは存在しなかったからです。


複利の法則のみが重要なのであって、実際それを達成できる金融商品が何かは、人それぞれの置かれた状況によって異なります。


「これで儲かります」


と断言しているブログやサイトを見てはいけません。儲かるのは書き手の方であって、読み手の私達は損します。


百歩譲って好意的に見たとしても、単にその人がうまくいっただけの話です。私たちがどうなるかは全く分かりません。


とまあ、禅問答のような話をしてもしょうがないところもあるので、私の場合についてブログでは書いていきたいと思います。

肉欲棒太郎に学ぶバブルの幻想

複利の法則が発動する金融商品は時代と状況により変遷します。


『ナニワ金融道』には肉欲棒太郎というイケイケの地上げ屋が出てます。彼と彼の妻になるOLがバブル期に交わした会話(第138話)が参考になります。


ナニワ金融道(6) (講談社漫画文庫)ナニワ金融道(6) (講談社漫画文庫)
著者:青木 雄二
販売元:講談社
(1999-05-11)
販売元:Amazon.co.jp



彼女は専有面積65.42㎡のマンションが8500万もすることに疑問を持ちます。


「このマンション、家賃は年せいぜい年180万程度しかとれない。一方、8500万を銀行に預けたら、年利5%として、425万円の利子が見込める」


「値上がりするという期待感だけで、マンションの価格が8500万円にもなっているが、もし不動産が値上がりしないなら、誰もこんな価格では買わないのではないのだろうか」


と。


彼女は何かちょっと変だということに気づきました。一方、不動産のプロである肉欲棒太郎は彼女にまともな回答を返すことができませんでした。


さて、この当時に銀行に貯金しておけば、元本保証の複利5%で資産を増加させることができました。


一方、不動産は銀行貯金よりも利回りが悪く、その後の暴落による本体価格の評価損も相当な金額になったことでしょう。


今、巷には不動産投資を勧める書籍が溢れかえっていますが、不動産なら常に安全かつ確実であるというわけではないことは、過去の歴史を見ても分かります。


とはいえ、今の定期預金の金利を見ても分かるとおり、銀行への貯金は既に複利の金融商品とは言えない状況になってます。


ではどうすればいいのか?

変遷する複利の商品

資産形成の三大阻害要因である浪費、賭博、詐欺を完全にブロックし、さらに馬力をかけて節約していくならば、最底辺の労働者でも余剰資金が生まれるようになってきます。


収入-生活費(経費)=利益


なので、収入の大小は本質的な問題ではありません。


よくあんなに収入があったのにどうして借金があるの?という著名人がいますが、収入の激減に生活費(経費)の削減が追いつかないと、損失まみれになります。


大きな収入は諸刃の剣です。常に自分に有利に働くとは限りません。


さて、穴の開いたバケツにいくら水をいれても少しも溜まりませんが、とっくりに入れた水は少量とはいえ、確実に溜まります。


では、この少量の水をどうやって増やすか?


ここでは目新しい話は全くなくて、ただ複利の魔法を使うだけです。


複利による資産増加は時間が経てば経つほど急勾配になっていくので、なるべく早く正しい列車に乗るだけです。


どんなに早くても脱線してしまうような列車に乗ってはいけません。


複利の大前提は元本が損失を被らないことにあります。


さて、複利で増加していく金融商品は時代と状況により変遷します。


あたかも砂漠のオアシスのように。


複利の法則のみが重要なのであり、金融商品の実体にこだわってはいけません。

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