カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

2012年12月

私が今まで中国株に投資しなかった理由

「そうだ、中国株に投資しよう!」


昔中国に留学していたことがあるし、今やワーキングプアの環境に落ちたとは言え、前職では頻繁に現地に出張に行っていたので、中国企業の知識は自然とそれなりにあります。


また企業のホームページを見たり、中国の株式情報サイトなら、日本からでも見れます。中国語の能力的にはもちろん全く問題ありません。


さて、どこかの記事で外国株には投資しないと書きました。


売買手数料と税金の面で不利、また情報も入ってきにくいというのがその理由でした。


おまけに日本企業がさかんに中国へ進出している以上、中国市場の利益の何割かは外資系企業のものになり、現地土着の企業は外資系企業の下請けに転落するところも多数出てくるのではないかと思ったからです。


(中国企業なら何でも成長するわけではない)


つまりわざわざ中国企業に投資しなくても、中国に進出している日本企業の株を買えば、成長著しい中国市場の恩恵を取り入れることができる。


今でもこの考えは変わらないのですが、ちょっと思い直すところも出てきました。


「あれだけの人口規模の市場のうまみあるところを外資系企業がすべて取り込むことができるわけないよな。多くはやはり現地の中国企業のものになるんじゃないだろうか?」


「外資系企業は資金力や技術力で中国企業を圧倒しているが、中国企業にも地理、言語、習慣などの市場との同一性という強みがある」


と。

本多静六翁の投資術 その7

超人には超人の投資あり。一方、凡人には凡人の投資もあり。


天才には天才の成果あり。一方、素人には素人の成果もあり。


何も本多静六翁並みの成果を出せなくても、素人は素人の成果で満足したらよいのではないかと思います。


つまり本多静六翁のような奇跡的な投資ができなくても、彼がやったように自分だけが得意とする分野で、かつ世間にその価値が十分に認知されていないものに投資をするという行為を模倣できれば、そこそこの成果が出せるのではないかということ。


さて、この場合私達個々人の能力と環境は異なるので、みんな違う対象に投資を行うことになるでしょう。


よく考えてみましょう。


「本多静六翁が行ったような投資を自分が行うとすればどういうことができるだろうか?」


と。


それで私の場合はというと……。

本多静六翁の投資術 その6

本多静六翁が莫大な財産を築いたのは株式投資よりも自身の専門とする山林学を生かした山林への投資成果の方が莫大です。


「現在、交通不便な山奥にある山林は世の進歩とともに鉄道や県道国道が開けて、将来都会地の山林に近い価格にまで値上がりするだろう」というドイツ留学中の指導教授から受けた忠告に従っての投資でした。


本多静六翁の四部作を読んでいると唖然とするような話ばかりです。


日露戦争後の好景気で木材が高騰し、立木の販売だけで山林の買値の70倍になったとか……。


渋谷、目黒、淀橋あたりのまだ開けてない雑木林の高台の日当たりのいい南面を無条件で片っ端から買っていったとか……。


奇跡のような話ばかりです。


本多静六翁の山林への投資が成功した理由は、一つには自身の専門知識がある分野に投資したこと。


もう一つはまだ世間にその価値が認知されていない対象を選んで投資したことの二点にありました。


その投資の結果だけを見ると簡単に成功しているように思えますが、自伝を読むと尋常ではない努力の人です。


「こんなのとても参考にならないよ……」


と思って呆れ返っていたのですが!!!

本多静六翁の投資術 その5

株式については、バフェット流の死ぬまで持ち続ける半永久型の投資を考えていたのですが、本多式株式投資法を知って、もう少し流動的に考えてもよいかと思い直しています。


株式を買うときには、「これはどう見ても安すぎる」という局面を狙って買うのですから、逆に「明らかに企業の本来価値を上回って高すぎる」という局面でキャッシュポジションに変えてしまうのもありかと。


ただ基本的には資金的な需要が発生しない限りは半永久的に保有して配当をもらい続けるという方針でいこうと思っています。


安く買って高く売る、言葉にすれば簡単ですが、実践するのは難しいので。


それと「十割益半分手放し」はリスク分散ができるよい方法で、実践している人も多くいると思いますが、配当目的で買った株式を「二割利食い」してしまうのは、少しもったいない気がします。


「二割利食い」は比較的値動きの荒い高金利通貨のスイングトレードに向いてそうです。


例えば、二割の値上がりでなくても一年分のスワップ金利を得たら、そこで利益を確定させてしまうとか、いろいろなパターンはありそうです。


欠点は高値圏ではスワップ目的で高金利通貨を買うのは危険すぎるため、いつでもできるトレードではないということです。


いろいろと検討するところはありそうです。

本多静六翁の投資術 その4

本多静六翁が財産を築いたのは株式と山林への投資でした。


まず株式について言うと、「二割利食い、十割益半分手放し」という手法を推奨しています。


「二割利食い」とは、株式を配当目的で買って、もし予想外の値上がりで20%ほども上昇してしまったら、そこで欲張らずに利食いしてしまうという投資術です。


「十割益半分手放し」とは、株式が長い年月の間に二倍以上に値上がりしたら、その半分を売って、残りの半分を無料の株にしてしまい、絶対に損をしない状態にしてしまう投資術です。


最初株を買うときに配当目的で無理のない価格で買うというのが前提条件となっています。つまり値下がりしてしまった場合は何もせずに株式を保有し続けます。

本多静六翁の投資術 その3

本多静六翁の投資術でも基本となるのは節約によって投資の元手を作ることです。


収入の四分の一、つまり25%を自動的に天引きしてしまうことを勧めています。


米俵が四つとれたら、三つしか取れなかったと思って一つ余分によけておけといったふうに。


ジョージ・S・クレイソンの名著『バビロンの大富豪』では10分の一の節約を勧めていたので、それの2.5倍、かなりの天引き率です。


また本多家の節約を見るに、本当に食べるものを削ってという場面が出てきますが、昔の日本は本当に貧しかったのだと感じます。


今の日本でワーキングプアという造語もただの幻想です。普通に働いて食べるものに困る人などいないのですから。


さて、本多式四分の一貯金法でたまった資金の投資先については次回。

本多静六翁の投資術 その2

本多静六(1866-1952)は、東京山林学校(現在の東大農学部に相当)を卒業後、ドイツに私費留学し、ミュンヘン大学で博士号を取得。帰国後は、東京農科大学の助教授となりました。


彼の投資生活が始まるのは、博士号取得後、助教授として働き始めてからのことです。


安田善次郎や渋沢栄一との交流の話なども出てきて、学者なのにこんなに財産を築いた人物が過去にいたということに驚きます。


学者を目指してワーキングプアになってしまった私とはえらい違いです。


さて、『私の財産告白』が投資生活のメインを描いていますが、その他の著作『私の生活流儀』、『人生計画の立て方』、『本多静六自伝 体験八十五年』なども重複する箇所はありますが、かなり参考になります。


この四部作は私の手元にすべてあります。

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