JALが株式を上場させました。


なぜこんなに早く再建できたのかというと、借金を棒引きにしてもらえたとか、採算の低いラインから撤退できたとか、いろいろな理由があるとはあると思いますが、一番の要因は砂糖に群がるアリたちを削除できたからです。


つまりリストラです。


国家や王朝というのは最大規模の企業と言えて、利権の巣窟です。


中国歴代王朝の場合だと、まず創業者とその功臣の一族が国家に根を下ろします。するとそのコネを頼って、そのまた親戚たちがどんどん国家に寄生し始めます。


次には高級官僚たちが各地方の名士の推薦を得たり、厳しい選抜試験を通過して、高給取りの官僚になります。すると、その高級官僚の親戚や関係者たちがそのコネを使って、また国家に寄生し始めます。


さらには創業者の後宮なんて素朴なものですが、2代目、3代目となると創業者の苦労を知らず平和の中で色ボケし始めて、どんどん妻妾の数が増えていきます。


すると、その妻妾の一族が国家に寄生し始めます。それだけでなくその妻妾に仕える女官の一族までも国家にうまく取り入ろうと……


こうなるともう坂を転がり始めた雪だるまのごとく、歳出の増加は誰も止められなくなります。


一方、能力と収入の不均衡はかつてないほど高まり、在野に恐ろしいまでの才能を持った人物が充満するようになり、アリの巣窟をひっくり返してしまいます。


こうして清廉で新しい理想に燃える新王朝が生まれます。


中国史の大略を見ると、この繰り返しです。