「古書の値段が毎年のようにどんどん上昇している」


中国に留学していたときに古書店の社長がこう言ってました。


仕入れ値が高くなるから、販売価格も高くせざるをえないいんだよというような話の流れだったと思います。


当時私は学問の徒でしたので、


「へえ。中国も豊かになってきてるからねえ」


ぐらいにしか思いませんでした。骨董品には全く興味がなかったからです。


ちなみに、ここで言う古書とは普通の洋装本のことではなく、糸綴じの線装本、俗に唐本と呼ばれる書籍のことです。

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これは古書を写真撮影して印刷した現代の復刻版ですが、中国も清代くらいまでは書籍は大体こんな体裁のものばかりでした。


版木に削った文字に墨塗ってゴリゴリ刷って本を作っていたわけです。


いまでは文字を彫る職人なんていませんので、せいぜい古書を写真撮影して原本のまま印刷する、俗に影印本という書籍が出版されるくらいです。


清代以前の唐本なんかは、数が増える可能性がもはやないので完全な骨董品です。