「アンティークで儲かるの?」


ただ単純に飛びつくのは、なんでも鑑定団の見すぎでしょう。流動性の著しく低いアンティークは投資としてみるとかなり難しい分野です。


しかし、資産形成の手段の一つとしては検討に値するカテゴリーです。株式や投信だけを買って、あとはただひたすら倹約生活というのよりは、アンティークを収集してみるのも、生活に潤いがあってよいです。


ヤフオクなどを見ていて思うのは今の時代、ありとあらゆる分野にコレクターがいるので、投資の対象となるのは伝統的なカテゴリーのアンティークだけに留まらないと思います。


株式や投信は誰でも買えるため、一人だけ特別なリターンを得ることはできません。


一方、もし今の時点では誰もそんなものがアンティークになると想像もできないものを発掘できれば、とんでもない利益が出せる可能性は潜んでいます。


またアンティークを収集する際に、他人の猿真似だけはしないほうがいいでしょう。


「アンティークコインが儲かると聞いて、一生懸命集めたけど、素人でダボなコインばかり買ってしまって、全然儲からなかったよ。もうしわしわおじいちゃんになったのに人生やり直せない……」


なんてことになったら、悔やんでも悔やみきれません。


私の場合なら、ワープアに転落する原因にもなった中国の古典を収集して、


「中国人の所得向上と人民元高で、中国の古書が高く売れるようになるかと思ったけど、ただの紙くずの山を買ってたみたいだよ」


という老後になっても、殉職した刑事とか、戦場に行って討ち死にした武士のように、なにか清涼感があって悔いが残りません。


他人にとっては紙くずの山でも、中国の古典を読みながら過ごす老後もまた一興かと思います。


というわけで、アンティークによる資産形成を目指す中国古書蒐集編がスタートです。