以下、朝日新聞のコラム風の妄想です。
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「いいなあ、そんなコレクションを持っているなんて」
同窓会で30年ぶりに佐藤さんに再会した鈴木さん(70歳)はため息をついた。
5年前に会社を定年退職した鈴木さんは2年間元の会社に契約社員として再雇用された。しかし、大不況の到来とともに契約完了となり、その後ビルの清掃のパートを始めた。
68歳から年金はもらえるようにはなった。月額15万円。もっと少ない年金しかもらってない人がたくさんいることは知っているが、やはり充分な金額ではない。
「年金なんてネズミ講と同じで破綻するに決まってるから、俺は払ってないよ」
と40年前にしたり顔で言っていた下請け業者の若者はどうしただろうか。もし本当に年金を払ってなければ、彼も鈴木さんと同じぐらいの年齢だったはずだが……。
年金は相変わらず若者世代に負担をおしつける形で、支払われ続けている。受け取り側に立った今は、自分が死ぬ前に破綻しないことを願うばかりだ。
さて、鈴木さんは妻の年金とあわせればなんとか生活してはいけるが、体が動くうちはまだ働こうと思っている。将来への不安が拭いきれないからだ。
一方、鈴木さんの同級生の佐藤さんの年金は月額8万円。鈴木さんの約半分だ。これだけでは到底生活していけないだろうに、佐藤さんは昼間はブラブラとしている。
年金だけでも生活していける鈴木さんのような人でも働けるうちは働こうとしている高齢者は多い。それとは対照的な姿だ。
もっとも佐藤さんはブラブラしているようでも年金以外の収入がないわけではない。
(続く)
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「いいなあ、そんなコレクションを持っているなんて」
同窓会で30年ぶりに佐藤さんに再会した鈴木さん(70歳)はため息をついた。
5年前に会社を定年退職した鈴木さんは2年間元の会社に契約社員として再雇用された。しかし、大不況の到来とともに契約完了となり、その後ビルの清掃のパートを始めた。
68歳から年金はもらえるようにはなった。月額15万円。もっと少ない年金しかもらってない人がたくさんいることは知っているが、やはり充分な金額ではない。
「年金なんてネズミ講と同じで破綻するに決まってるから、俺は払ってないよ」
と40年前にしたり顔で言っていた下請け業者の若者はどうしただろうか。もし本当に年金を払ってなければ、彼も鈴木さんと同じぐらいの年齢だったはずだが……。
年金は相変わらず若者世代に負担をおしつける形で、支払われ続けている。受け取り側に立った今は、自分が死ぬ前に破綻しないことを願うばかりだ。
さて、鈴木さんは妻の年金とあわせればなんとか生活してはいけるが、体が動くうちはまだ働こうと思っている。将来への不安が拭いきれないからだ。
一方、鈴木さんの同級生の佐藤さんの年金は月額8万円。鈴木さんの約半分だ。これだけでは到底生活していけないだろうに、佐藤さんは昼間はブラブラとしている。
年金だけでも生活していける鈴木さんのような人でも働けるうちは働こうとしている高齢者は多い。それとは対照的な姿だ。
もっとも佐藤さんはブラブラしているようでも年金以外の収入がないわけではない。
(続く)