佐藤さんはミニカーのコレクションを30年以上続けている。


また集めるだけでなく、オークションサイトや自身のネットショップで、ミニカーを販売している。月間の売り上げは30万円から80万円程度。利益率は驚異的で、95%を越える。


一部は生活費に回り、残った分でさらに新たなミニカーを購入する。


「集め始めて10年くらい経った頃から、自身のコレクションの中から、妙に値上がりするミニカーがあることに気づきました。あまりにも値上がりしたミニカーは売却して、売却益を新たなミニカーの購入資金に当てるようになりました」


総投資額を聞いてみた。


「200万円くらいですかね。ワープアだった自分には月数万円の購入が限界でした。将来に絶望してミニカーの世界に逃げてました(笑)」


先日も20年前に2万円で購入したミニカーがイギリスのコレクターに200万円で売れた。


高く売れるミニカーを見分けるコツを聞いてみた。


「まずミニカーに愛情を持つことです。たくさんのミニカーに触れると自然と分かるようになります。でも多くの人はその単純なことができない。3年前、ミニカーが一時ブームになったときには、多くの人がミニカーを買いにきた。でもすぐに値上がりするものではないと思うと、また一斉に売り払ってしまった」


「本当のコレクターは今も昔もすごく少ない」


「上がる株や成長する企業を見分けることなんて、自分には到底できない。でも値上がりするミニカーは簡単に分かる。本当に毎回同じことが繰りかえされているんです。でも多く人は一時的なコレクターだから気づかない」


佐藤さんのコレクションのオークションサイトでの時価評価額は現在1億円程度になるという。


半年前に中国人のコレクターから1億3千万円ですべてのコレクションを売って欲しいという打診があった。しかし断った。


「まだまだ引退する気はないんでね。このコレクションがあるからこそ、執筆や講演の仕事も来る。それに5年前はまだ5000万円程度の価値しかなかったんですよ。景気やブームの波は受けると思いますが、再生産されない以上まだまだ値上がりする余地はあるでしょうね」


年金を貰えるようになっても鈴木さんのように将来への不安が拭えず、働き続ける高齢者は多い。一方、佐藤さんのようにコレクタービジネスが成功して、趣味と収入の両方を獲得している人もいる。


いまコレクタービジネスが熱い。

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どうでしょう。ミニカーという単語や数字を少し変えれば、ありえそうな近未来のようにも思えるのですが、果たして妄想でしょうか?