こうして医者の道を目指すことになった陳存仁は、中学を卒業した後、南洋医科大学に進学します。そこで1年間学びますが、西洋医学を学んでも開業に莫大な費用がかかるだろうということで、中国医学に転向して、上海中医専門学校に転学します。


そこで中医を学ぶかたわら、陳存仁はお金の問題を解決したいと思い、アルバイトを探します。


運よく医学雑誌の編集作業員のアルバイトが見つかり、丁福保という学者のもとで働き始めます。


この丁福保から陳存仁は様々な利殖の方法を学ぶことになります。


丁福保が言うには、


「読書人は往々にして金銭や財産のことを軽視しがちである。お金のこととなると、すぐ俗っぽいと感じるがこれは間違っている」


「文人は往々にして理財の道の何たるかを知らず、一生うだつが上がらない。その実、一人の人間の生活はお金から逃げることはできず、理財の道を知らなければ、一生苦しむことになる」


昔と今の自分の姿を省みても、全く真実だと思います。