その骨董市場には数十軒の骨董商がいたのですが、この噂を聞きつけて、続々と古銭を売りにやってきました。


そのすべてを買いつけると数十キロはあり、なかには本物も偽物もありとあらゆる形状の古銭が含まれていました。


また古銭収集はこれでは終わらず、この日以降、骨董商は毎日のようにあちこちで古銭を買い集めては、二人の元へ売りにやってきました。


一方、古銭の収集が続く中、丁福保はそれらの鑑定を行いました。


すると、唐、宋、元、明、清とありとあらゆる時代の古銭が含まれていました。唐、宋、元のものは少ないけれど、明のものはかなりあり、清代に至っては十三代の年号のものがそろっていました。


また、古銭の中に槍の矛先のようなものまで混じっている。丁福保はそれを古代の武器ではないかと思い調べようとしていたところ、友人の学者がその実物を見て、こう言いました。


「わざわざ本で調べなくてもよい。私がそれを五十元で買おう」


「古銭の買取に莫大な費用がかかっている。予算には限りがあるから、あなたが欲しいのなら譲りましょう。でも私はこれがなにか知りたいのです」


「これは戦国時代の矛先です。非常に珍しいものです」


このように予想外の収穫までありました。