上海近郊での古銭の買取に成功した丁福保と陳存仁は、友人に依託して、全国各地で同じように「真贋問わず、根こそぎ買う」という方法を繰り返しました。


すると、膨大な量の古銭が集まるとともに、中には丁福保でも時代の判別ができない古銭さえ混じっていました。


それもそのはず、無差別に買い集められた古銭の中には、日本や高麗、ベトナム、タイなどの古銭まで混じっていたのです。


このように予定外の収穫もありつつ、膨大な量の古銭が集まりましたが、結局、そのうちの大部分が本物であり、偽物や模倣品は少量でした。


丁福保は集まった膨大な古銭を利用して、「泉品宝鑑」という古銭のコレクションを作成しました。


そのうち大部分が集められた本物の古銭で、一部には複製品を作って古代の未収集品の不足を補いました。


もちろんすべてが贋物と疑われないように、取り扱い説明書には複製品と本物の区別を記載しました。


こうしてできあがった古銭のコレクションを再び骨董市場に売りに出すことにしました。