今ファーストリテイリングはSPA(アパレル製造小売)で世界第四位のところまできているようです。


もちろん柳井さんの目指すところは世界第一位のSPAになることでしょう。


時代は変われど、天下統一を目指した織田信長とその高い志は同じようなものだといえます。


つまり、透かし絵のように現代の企業と戦国時代の大名を重ね合わせてみると、その実態も実に似通っている可能性があります。


例えば、織田家が新興勢力のときには、全国的には織田信長の名前が知られているくらいで、その家臣にどのような人物がいるかまで知っている人はほとんどいなかったことだろうと思います。


同じようにファーストリテイリングが急速に成り上がってきた現時点では、社内にどのような人材がいるかは世間的には全く知られてなくて、ただのワンマン経営のように見えても不思議ではありません。


しかし、あれだけの急成長を遂げた企業が社長個人のワンマン体制で成り立っていると考えるのはかなり不自然で、現時点でも後々には戦国時代の百万石クラスの大名となる人材がひしめきあっていると考えるほうが自然です。


もしかしたら、前傾のインタビュー記事に登場した潘寧氏もその中の一人かもしれません。


彼のファーストリテイリングでの面接体験は興味深いです。


彼(柳井氏)は私にこう質問した。あなたは10年後何をやりたいのか?私は社長になりたいと答えると、彼は怪訝な顔をした。日本では終身雇用制で社長になりたいと思うサラリーマンの人は殆どいないからだ。会社で真面目に30年、40年勤めれば、死ぬまでの保障が得られる。



彼は私が社長になりたいと聞いて、すごく感心し、じゃあうちにおいで、ここにはいっぱいチャンスがあり、あなたが社長になれるかも知れないと言ってくれた。その時、私も素直だったので、これはチャンスかも知れないと思い、入社を決めた。


戦国時代に例えると、浪人が大名家に仕官しに行って、「大名になりたい」といい、大名の方でも「そうか、君も大名になれるかもしれないから、うちに来なさい」と言っているようなものです。


古今ともに稀な会話だと思います。


その後、ファーストリテイリングに入社した潘寧氏は彼の望むような経験をすることになったようです。


ユニクロでの経験は、まるで創業しているようだった。すべてゼロから始まった。香港もゼロから始まった。台湾もゼロから始まった。大陸も社員わずか30人からいまの社員1万人の規模まで大きくした。いま中華圏での社員総数は約1.6万人で、これほどの大企業は8年前はゼロだった。これは創業ではなくて何という?私はとても充実した日々を送った。


(元記事 http://www.chinanow.jp/2014/03/01/article6477/)


ファーストリテイリングは単元株がとうとう500万円近くになってしまって、零細個人投資家には手の届かない存在になってしまいました。


ただ、私の場合、ミニ株で1株だけ持っているので、株主通信とかは届きますし、評価損益の変動も日常的に目に入ってきます。


ファーストリテイリングの行く末を知ることが、今後の株式投資にとって大いに役立つところがありそうなので、これからも見守っていきたいと思います。