6年ぶりの中国の飲食店で感じた割高さはインフレ、デフレの問題というよりも、中国の人件費が猛烈な勢いで上昇しているのが、真実に近い姿だと思います。


昨年の今頃はまだ1ドル120円を超える円安で、私は冷凍食品工場で中国娘たちと働いていましたが、ある子は「こんなに円安になるとここで働くのは割にあわない。中国にいても七千、八千元くらい稼げる。帰りたいと言っている子もいる」なんて、言っていました。


7000~8000元というと、今の為替レートでも十万円強になるので、「こんな何の技能もない樽のような女の子がそんなに稼げるんかいな?」と当時は訝しげに思ったのですが、あながち誇張だけでもないと今回の出張を終えた後では感じました。


(中国も豊かになったのか、私の中国留学当時はデブがとても少なかったのに、昨年冷凍食品工場で会った中国娘は日本に来る前から丸々と太っている子が結構いました)


中国出張中、風邪を引いていたある日の夕方の食事です。後ろに写っているのは、病院で800元も取られた漢方薬の一部です。

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東莞市は出稼ぎの街ということもあってか、よその地域に比べるとテイクアウトが結構気軽に頼めます。風邪で外出が億劫だったので、会社帰りに買ったピータン粥です。かなり量はあるのですが、ただの粥に11元も払いました。それに近所のスーパーで2.5元で買った醤油たまごみたいなものを入れて食べました。やはり一食200円ぐらいかかってます。


結局、物価高は中国の人件費向上がもたらしたものだと思います。中国人の給料もピンキリでしょうが、私が今回出張で行ったような工業系の仕事だと、ちょっとした技術職ならもう日本円で10万円前後までなっているのではないかと思いました。


ミドルクラスの給料が、日本の新卒の約2分の1、中間層の約4分の1程度となると、もう「中国ってなんでも安いんでしょ!」という感覚は時代錯誤になりつつあります。


今回、中国に一ヶ月程度滞在してみて、そう感じました。