カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

カモネギファンド資産防衛の城壁

権威の落とし穴 その1

自分の手が届かない権威に人々は屈服します。


東大卒、起業家、経済学者、芸能人etc……


当たり前のたいしたことない言葉でも一度彼らの口から発せられるだけで、私たちにとって普通とは違う重みを持ちます。


権威の落とし穴はいくつかあります。まずそもそも権威者の経験や言葉は、すべての人々に一般化して当てはめることができるものではないということです。


例えば成功した起業家なんて、家庭環境から努力からすべて凡人とは次元が異なっていますが、その表面的な面だけを真似ても、ただのサル真似で終わります。


話す方も聞く方もともにその本質的な格差に気づいてないことが多々あります。お互いの勘違いは永遠に埋まりません。


もう一つの落とし穴は、権威者は権威でありながら、簡単にお金で篭絡される人たちがいることです。


各種企業の広告塔に芸能人が使われるのは日常茶飯事ですが、別に彼らはその商品なり企業なりが好きで利用しているわけではありません。ビジネスのオファーを受けて仕事としてやっているだけです。


ただ見るほうではなぜかその芸能人に寄せる好感度と商品および企業を混同してしまいます。


これは権威の移転が行われているのです。


詐欺師はありとあらゆる手段を使って、権威者の権威を自分に取り込もうとします。

詐欺師の友達は詐欺師であること

私、学生時代の専門は中国の古典文献でした。日本の大学だと、中国史、中国文学、中国哲学なんていうのが、学問分野のカテゴリーになります。この中の一つで学びました。


日本の大学だけでなく、中国に留学してまで勉強したのですが、仕事や収入という面から考えると、結局何の役にも立ってません。


キャッシュフローは大赤字です。


投資計画として見れば、奇跡的に借金こそ残らなかっただけで、大失敗です。


非常に空しいので中国古典の薀蓄をブログでときどきぶちまけていきたいと思います。


さて第一弾は占いの書『周易』からの言葉です。


「物は群を以って分かる」


とはどういう意味か?これはすべてのものは同類同士が集まって分かれて一つのグループとなるということを表しています。


つまり、お金持ちはお金持ちと親しくなり、貧乏人は貧乏人と相憐れむ。


天才は天才を理解し、変態は変態を呼ぶ。


この思想から見ると、詐欺師の友達はやはり詐欺師です。


親しく付き合っている人間を見れば、その人の正体も自ずから明らかになります。


詐欺師たちの輪から遠ざかりましょう。

あなたが好きです

ふた昔くらい前「I love you」というタイトルのウイルスメールがはやったことがありました。怪しくても「好きだ」と言われると、無視できない人間の習性を巧みに利用したトラップでした。


人はみな自分への好意にとても弱いという習性を持っています。


詐欺師はこの人々の好意への耐性のなさを利用します。見ず知らずのセールスマンに言いようもない好意を感じ始めたら要注意です。


その好意は売り込みを成功させるために演出された感情である可能性があります。


好意を起こさせる方法はいくつかありますが、今回は同類の法則について取り上げたいと思います。


人はみな自分に似た人間に好意と安心感を感じます。道を尋ねるときにチンピラ風の人とサラリーマン風の人がいたら、チンピラ風の人に道を尋ねる人は少数派でしょう。


人々は日常生活の様々な場面で、仲間とそれ以外の人々の区分けを半無意識のうちに行っています。


仲間の言うことは安心だ。


多くの場合、このような判断は良い結果をもたらすのですが、詐欺師はこの法則を悪用して、作為的にあなたと同化し、好意と親近感を引き出すことができます。


詐欺師は超一流の営業マンでもあります。彼の話に釣り込まれ、好意と親近感を感じ始めたら、「彼は私にとって赤の他人だ」と気を引き締めましょう。


詐欺師は必ず遠くからやってきます。


遠くの人間を騙して逃げるのは簡単だからです。

集団自殺するフラミンゴ

「自分で何を買うかを決められる人は全体のわずか5%、残りの95%は他人のやり方を真似する人たちです。ですから、私たちがあらゆる証拠を提供して人びとを説得しようとしても、他人の行動にはかなわないのです」


『影響力の武器』の中に出てくるセールスコンサルタントのキャベット・ロバートの言葉です。


何を言っているのかよく分からないという場合は、通販サイト、健康食品のチラシなどにおける「購入者の声」を思い出して下さい。


購入を迷う私達に、私たちと同じような悩みを持つ人たちがいかにこの商品を買ってよかったかを切実に訴えかけてきます。


詐欺師たちは私たちを誘導するために、意図的に大衆の賞賛の嵐をぶつけてきます。自分と同じ境遇にある人たちがいかにこの商品によって救われたかを知ると、私達はいてもたってもいられなくなります。


でもちょっと待ってください。すべての人たちが満足する商品なんてこの世にあるはずありません。なのに賞賛の嵐しか聞こえてこないなんていうのは極めて不自然です。


大衆の賞賛の声なんていとも簡単に捏造できます。


そこまで悪質でなくても、99%の不満の声をカットし、1%の賞賛の声をピックアップするだけで、いとも簡単に歪められた現実を作り出すことができます。


詐欺師はゲームの中の魔法使いのように幻術的な魔力を持っています。


集団自殺するフラミンゴにならないよう、洪水のように一方的に流れる他者の声、思考、行動のすべてを常に疑いましょう。


「彼らと私は別である」と唱えることが神聖な魔法となり、私たちを守ってくれることでしょう。


お年寄りの涙

詐欺に騙されるお年寄りが後を絶ちません。


「なんでそんなたわいもない話にひっかかったのか」


と多くの人は思うのですが、騙すほうは騙すつもりで近づいていくのです。


自分が狙われていることを知らない素人が、数々の名士を殺してきた暗殺者の襲撃をかわすのは至難の業です。


また金額を問わなければ、誰でも詐欺的な営業手法に多少はひっかかっています。


自分だけは大丈夫と思うのはただ単に気づいてないだけことです。


「お金を節約しましょう、詐欺から貴重な資産を守りましょう」と言っても、誰も振り向きもしません。


一方、「お金を増やしましょう、稼ぎましょう」というブログはネット上に溢れかえっています。そちらの方が注目を集めやすいし、抜ける利ざやが多いからです。


私、株式投資は常に逆張り、よってブログも当然逆張りです。


それにしても本当に時間の経つのは早い。30年くらいの時間、あっという間に経ちます。みんなすぐにお年寄りになる。


だから、70歳にもなるのに20歳くらいの知識と経験しかないお年寄りは山ほどいます。彼らはただ日々生活していただけで、何も学ばなかったのです。


一番資産が多く、もはや体が動かなくなった最晩年に騙されることの絶望感は耐え難いものです。もう目もかすみ、耳も遠く、歩いてもすぐ疲れるというのに……。


お年寄りになって流す涙が私とあなたのものとならないよう、資産防衛の城壁は今すぐに築き始めるべきです。

希少性の罠 その2

「売れれば売れるほど儲かるのに少なく売るという道理はありません」


赤字覚悟で客寄せのために売るとかいうのでなければ。


「売れれば売れるほど儲かるのに短期間しか売らないバカはいません」


農作物のように取れる期間が決まっているというのでないかぎり。


すべての商品がそうではありませんが、数量限定や期間限定の商品は疑ってかからないといけないケースが多々あります。


例えば、通信販売のテレビショッピングで限定○○セットまでというのを昔よく見かけましたが、今考えると数量限定しないといけないような商品は何一つなかったように思います。量産品でいくらでも作れそうなものばかりでした。


ではこれはどう解釈すればいいのでしょうか?


今考えるに、限定100セットと言いながら、100セットはまず売れない商品である可能性が一つ。


もう一つの可能性としては、100セット以上売れたら、すぐに発注をかけて追加の個数を販売してしまう。購入者は何セット売れたかなんて関心ないし、知る方法もない。


この二つのどちらかだと思います。


つまり、販売のテクニックとして演出された希少性に過ぎないということです。


またそういう化粧を施さないととても売れないガラクタであるということも分かります。


数量限定や期間限定の商品から遠ざかりましょう。


売れるものが少ししか販売されないという市場原理に沿わない現象はほとんど起こりません。


本当に価値ある商品ならば、必ずそれを売ろうとする人間が出てきます。待つことです。待って真実を確かめてから購入しても遅くはありません。

希少性の罠 その1

数量限定で販売されるもの。


期間限定で販売されるもの。


この二つの商品は要注意です。


私たちは限定品に極めて弱いという弱点を持っています。


「今しか買えないのだったら、とにかく買っておこうか。他のものは後からでも買えるから」


とか


「みんなが買えるわけではないこれを自分は買いたい」


と思ってしまいます。


詐欺師は私たちのこういう行動習慣を巧みに利用してガラクタを売りつけてきます。


つまり、全く限定販売する必要のないものを意図的に限定販売することによって、希少性を煽り立て、私たちの購買意欲を刺激するのです。


このトラップに抵抗する方法は一つです。


それは期間限定、数量限定の商品に出会ったときに


「この商品は限定販売しかできない性質のものだろうか」


と常に疑ってみることです。

詐欺にも使える慣性の法則

動き出した電車は急には止まれず、転がりだしたボーリング玉はめったなことでは止まりません。


一度ついた勢いは持続しようとします。慣性の法則は普遍的な真理のため、詐欺にすら応用できます。


前述の古典的な詐欺の手口。


スーパーの近くに建てられたプレハブ小屋でいろいろな日用品をただでもらったあげく、最後には高額の健康器具や布団などを買わされてしまう。


ここにも慣性の法則が応用されています。


「このフライパンを欲しい方は手を上げて下さい。試供品なので先着5名様までですよ!」


「はい!」


「次はこの包丁を欲しい方は手を上げて下さい。こちらも早い者勝ち、3名様まで!」


「はい!はい!」



「実は最後にとっておきの超目玉商品があります。今日だけの特別価格サービスで……」


とまあ、こんな感じのことが行われているのでしょうが、最初に無料ないし超格安の取引を何度か繰り返してしまうと、詐欺師との間に取引実績を積んでしまいます。


無料でもらうことにより恩義を感じてしまうだけでなく、取引実績を積むことにより、詐欺師との取引における心理的ハードルはみるみるうちに低下していきます。


さて、この段階で超高額な商品を勧められると、普段なら絶対に買わないようなものでも、半分無意識のうちに買ってしまう……。


まさに一本背負いで投げられた状態です。


おまけに詐欺師は恩返しの法則や慣性の法則だけではなく、いくつもの小技をあわせて出してくるので、無知な素人は一度捕まったら、逃げ切るのはかなり難しいです。

無料のものはすべて自分の武器となること

「無料」という武器を巧みに使う詐欺師に対抗する方法はあります。


 たとえ無料のすばらしいものをもらったとしても恩を感じない厚顔無恥な人間になることです。


彼らが使ったまきえの費用は引っかかった他のカモから回収することができます。そもそも彼らは元が取れるからえさをまいているのであって、彼らが勝手にまいたえさ代のことまでこちらで気にする必要はありません。


えさを食いちぎって、とんずらしましょう。


(なんかどこかで書いたような話ですね)


また無料のものがすばらしく良かったからといって、その後に提示される高額の商品に対して疑惑の眼差しを緩めることがあってはなりません。


「この商品は本当にこの価格に見合っただけの価値があるのだろうか?」


「なぜこの人はこんな高額の商品を必死に売ろうとしているのだろうか?これが売れれば彼の利益は確実に確定されるから、そのあと私は放置されるんじゃないだろうか?」


詐欺師のビジネスモデルの本質を探りましょう。


そして詐欺師のビジネスモデルを知れば、彼らが持っている武器は取り上げて自分の武器として使えることが分かります。


なぜならどんな無料の商品もただで作れるものなど一つもないからです。つまり、彼らの損が我々の利益になる。


逆もまたしかりです。


詐欺師の武器を奪って、自分の武器庫を豊かにしましょう。

無料のものはすべて武器であること その2

スーパーの近くに建てられたプレハブ小屋でいろいろな日用品をただでもらったあげく、最後には高額の健康器具や布団などを買わされてしまう。


昔からある古典的な詐欺の方法ですが、「どうしてそんなバカなやり方にひっかかるのか」とみんな思います。


でも本当は他人事ではなくて、シチュエーションと詐欺師がより高級になれば、似たような詐欺に引っかかっている人はもっと大勢います。


古典的な詐欺には理論的な骨格が存在するので、傍目には馬鹿馬鹿しく見えても、かなり有効な手段として通用し続けます。


例えば、無料や桁外れの安値でものをもらうということ。


このことにも大きな意味があります。


私たちは常日頃、恩には恩で報いるよう教え込まれており、そういう行動習慣を確かに持っています。


詐欺師はこの人々の善意ある習慣を意図的に悪用して、私たちをはめ込みます。


つまり詐欺師によって「好意」的な施しを受けた後では、「恩には恩で報いるべし」という思想が鎖となって、彼の法外な要求を断ることが難しくなってしまうのです。


まきえに食らいついた後では、その後に続くもりの強烈な一撃をかわすのは極めて難しい。


ときに不幸と無知にしてまきえに近づいてしまう私たちに生き残る道はあるのでしょうか?

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