カモネギFX

株式投資、FXデイトレード、古書収集などをド田舎で行っている資産運用ブログです。

コアラカモ君の古書コレクション

中国映画鑑賞ブログに変貌します その3

映画館で映画を見るようなことは普段の生活でほとんどなくて、金曜ロードショーで見るぐらいですが(笑)、中国に留学していたときは中国映画を結構見ていました。


語学力上達の名目でしたが、中国語力の向上に役立ったのかどうかはさだかではありません(笑)


今はどうか知りませんが、私の留学していたころだと、大学の構内や街の路上のあちこちで海賊版の映画DVDを売っていて、1枚7元くらいで買えました。


国際的には違法なのかもしれませんが、私のいた2000年代前半、また私のいた場所(成都市)だと、正規版のDVDを売っている場所を探す方が難しいくらいでした。


私は正規版のDVDを売っている場所は知りませんでしたし、多分普通の中国人も同じではないかと思います。


その後、日本に帰国して、中国に出張でいくようになってから、スーパーなんかで正規版のDVDを買ったりしましたが、「なんでこんな高いものを買うんだ、アホかこいつは」みたいな顔を店員がしていたように思います。


(もっとも単に私の思い込みかもしれませんが)


前職での中国出張も最後の頃になると、動画配信の速度が上がったせいか、映画やTVドラマ、日本のアニメ等をフリーで放送しているサイトがいくつも存在していましたので、今はもうDVDすら売れないようになっているかもしれません。


中国の現実はこんなところです。

中国映画鑑賞ブログに変貌します その2

ヤフオクの映画パンフレットのカテゴリーを見てみると、売り手多くて、買い手は少なし、かなり低調なカテゴリーというのが分かります。


落札価格を見てみると、高くてもまれに数万円程度、多くは数千円から安いと数百円程度になっています。


なんかゴジラ映画のパンフレットがそこそこ高値で落札されていますが、集めている人がいるんでしょうかね?


さて、映画パンフレット自体の入札が低調な中でも、欧米の映画や日本映画にやはり人気は集まっているようです。


私が集めてみようかと思っている中国、香港あたりの映画パンフレットの出品価格は、おおむね1000円前後から個人のお部屋整理目的らしいものだと300円くらいのものがほとんどです。


高値で出品している人はほとんどいません。つまり売り手からも買い手からもまったくただのゴミだと思われているような状態ですね。


古代中国の白圭という人物は人が捨てるものを自分は拾い集め、人が欲しがるものを自分は逆に売り出してしまうというシンプルな方法によって莫大な富を築きました。


中国映画のパンフレットは「人が捨てるもの」という第一条件には合致しそうな商品です。

中国映画鑑賞ブログに変貌します その1

映画パンフレットというものがあります。上映映画に関する出演者のプロフィールや撮影のエピソード、評論家の文章等が記載されている映画館で買える小冊子です。


映画とか普段から全然見るほうではなく、従って映画館に行くようなこともほとんどないのですが、これをちょっと集めてみようかと思っています。


しかも中国映画に関するもの限定で。


海外は中国しかいったことないのですが、どうもこの映画パンフレットというものを製作して販売する習慣があるのは日本だけのようです。


希少性というのはアンティーク投資の第一前提条件です。


どんなに価値のある興味深いものでも大量生産が可能なものは値上がりしません。


日本でしか販売されていない映画パンフレット、逆張り投資の対象としてはおもしろいと思います。

中国古書蒐集 その4 戚蓼生序本石頭記(2)

これは1975年出版の本、全八冊、定価は11.5元。1975年の11.5元にどれくらいの価値があるのかは私にもよく分かりません。

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こちらは2006年出版の本、全4冊、定価は320元です。中国も豊かになったとあってか、ハードカバーの頑丈な本になりました。

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文化大革命の大混乱から奇跡のような経済成長の過程で、ものすごいインフレがあったのは確かだと思いますが、単純に額面比較すると、約30倍近く値上がりしています。


1975年版も2006年版も元をたどれば民国時期に出版された書籍の復刻影印本で、どうでもいい出版者の序文が異なる以外は、どちらも内容は全く同じです。


ちなみに中国の古書市場では2006年版は定価よりも安く買える一方、1975年版は2006年版の2倍くらいします。


ということは、1975年に買った本をずっと持ち続けていたら……。


それにしても、書籍の装丁は1975年版の方があきらかに粗末です。しかし不思議なことにサファイア色の1975年版の方がなにかみやびな感じがするのはなぜでしょうか?


同じ書籍でも出版年代が異なれば、装丁は全く異なり、なつかしき昔の本を手に取ると、あのころの記憶がよみがえる。


となると、本との出会いは一期一会ということになるのでしょうか?

中国古書蒐集 その4 戚蓼生序本石頭記(1)

実際に1970年代と現代とでどれくらい中国書籍の値段が変わっているのか比べてみたいと思います。


さて今回取り上げる書籍『戚蓼生序本石頭記』は、戚蓼生という人物が序文を書いた『紅楼夢』という意味です。


『紅楼夢』は最初期、手書きの抄本の形で少しづつ流通し始めました。


尋常ではないおもしろさに民間でも話題になり、それが時の清朝皇室の目にも留まるようになりました。


『紅楼夢』の作者、曹雪芹は別に小説の舞台を当代の清朝皇室に設定したわけではないのですが、読むほうでは勝手な想像を膨らませます。


また曹雪芹自身が経験したことが『紅楼夢』の中に色濃く反映されていることから、その想像もあながち外れたものではないところもあり、時の朝廷から発禁処分の扱いを受ける書籍となりました。


もっとも、読みたいという人々の欲求は押し止めることはできず、『紅楼夢』は手品のようにその書名を変え、民間で流通し続けます。


『石頭記』は数ある『紅楼夢』の異名の一つです。

中国古書蒐集 その3 清抄絵図描金銀三国志演義(5)

古本屋がそこそこの値段で売り出した商品を骨董屋的な視点から見ると、まだまだかなり割安に感じる水準であることがある。


この古本屋と骨董屋のビジネスモデルの違いが、今回書籍を安く買えた理由ですが、もう一つ割安になった理由があります。






島津法樹さんの本を読むと、『近高遠安』という骨董用語が出てきます。


これはどういう意味かというと、例えば、日本のものは日本人が一番よく分かっている。だから日本に近いほど日本産の骨董は値段が高くなり、逆に遠くなるほど理解されにくくなり、その値段も安くなるという意味です。


どの国の骨董品にも共通してみられる現象だそうです。


今回の例にあてはめると、中国の書籍のことは中国人が一番よく分かっている。だから中国で一番高くなりやすく、逆に日本では割安に放置される事例もあったりするという話だと思います。


基本的には物価水準が違うので、中国古書は日本の方が高いです。でも比較的頻繁に今回の書籍のようなケースもあって、そういう本を狙って収集していくという戦略は長期的にはおもしろそうな結果を生みそうです。


「日本に帰ってきちゃったから、もう中国にいたときみたいに安く本を買えないや」


と隣の芝生をうらやましがって嘆くのではなく、日本にいなければ安く買えない本を買う、というのは今置かれた環境でできるかぎりのことをやるという私の投資戦略に合致します。


まだまだいろいろとやれることはありそうです。

中国古書蒐集 その3 清抄絵図描金銀三国志演義(4)

今回、この書籍を日本の古本屋は数多くある古本のうちの一つと認識したのにたいして、私や中国の古本屋はわずか十年前に出版されたものとは言え、同じものを準骨董品的な色彩で見ていることから、日中間の経済格差を飛び越えるほどの価格逆転が起こりました。


つまり日本の古本屋は安く仕入れた本なので採算が合う価格で売れれば、自身のビジネスモデルはうまく展開していると満足して終わりの話です。


一方、同じ本が中国市場に現れてくると、歴史的な価値はまだないにしろ、準骨董的なそろばんをはじくコレクターや古本屋がわらわらと出てくるため、そもそも捨て値の安い値段まで値崩れすることがありません。


以前から不思議に思っていたことは、中国の古書のネットオークションに普通の古本屋がどんどん入札してくることでした。


「コレクターならともかく、古本屋がこんな価格で買って採算とれるんだろうか?」


と昔は不思議に思っていたのですが、今ならその理由が分かります。


彼らはもうただの古本を仕入れようとしているのではなく、不良在庫になるリスクが極めて低く、時間の経過とともに価値の上昇するアンティークの一種として古書を見ているのです。


そのときの彼らは古本屋ではなく骨董屋に変貌してます。


あたかもバブル前の不動産屋が土地を仕入れるかのように、資産となる古書を仕入れようとしているのです。

中国古書蒐集 その3 清抄絵図描金銀三国志演義(3)

この書籍が出版されているのは前から知っていましたが、もう中国在住であちらの古書売買サイトで手軽に買えるというわけでもなく、また値段も高すぎるので、見ているだけでした。


いま孔夫子旧書網での最安出品が7300元くらいです。7300元というと、大体12万くらいでしょうか。中国人も高いと思っているのか、この価格帯で売れた形跡はありません。


また定価9800元となっていますが、出版直後の2005年に4000元くらいで売れた形跡があるところを見ると、このあたりが新刊割引後の実売価格だったと思われます。当時は人民元ももっと安かったと思いますが、今のレートで6~7万円くらいでしょうか。


そして、今回私は日本の古書店で36000円で買えました。最初は見間違えているのかと思いました。


「63000円と打ち間違えたんとちゃうやろか?」


「これ注文してもキャンセルされる???」


ただの私の思い込みで、普通に買えました。


しかしながら、日中の物価格差を考えると、中国よりも日本の方が安くものが買えるという状況は異常です。もっとも輸入品とかは、価格がグローバルなので日本でも中国でも同じです。しかし、この書籍は純然たる中国国内の出版物です。


なんでこんなことが起こるのでしょうか?

中国古書蒐集 その3 清抄絵図描金銀三国志演義(2)

私が買ったのは現代の復刻版でレプリカですが、原本は抄本、つまり一部限りの手書き本です。書籍を手書きで書き写す習慣は清代くらいまで広く行われていたようで、書籍を大々的に出版するのに比べれば、費用も手軽だったと思われます。

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超達筆です。書籍の装丁は清代皇室の特色に溢れていて、この抄本が皇室に伝えられていたものであることが分かります。

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宮廷画風の40幅の人物画もありゴージャスです。皇族が読む本はさすがに金がかかっています。


今回の2004年の文物出版社から出版されたあとがきにこの書籍の来歴が書かれていました。


この書籍、張作霖が北京を接収したときに賄賂として清朝皇室から張作霖に送られたものだそうです。その後、張作霖はこの書籍を腹心の郭松齢に褒美として与えました。


のち、郭松齢が反乱を起こすも敗北、死亡した後は、郭松齢の親族がこの書籍を各地の親戚や友人に分散して預けて、数々の戦乱を乗り越えてきたそうです。


貴重な書籍であることは言うまでもなく、その内容的にもすばらしいものですので、ささやかなお宝としてずっと持っていたいものです。


さて、次回はなんで安く買えたかという点についてです。

中国古書蒐集 その3 清抄絵図描金銀三国志演義(1)

中国で一番有名な長編小説となると、『水滸伝』、『紅楼夢』、『西遊記』、『三国志演義』あたりになります。


中華民国期の学者、胡適なんかは、「中国古典小説の最高峰は、『紅楼夢』か『水滸伝』であろう」と言っており、私もそう感じますが、両方とも日本人には『三国志演義』ほどのなじみはありません。


思うに、『紅楼夢』や『水滸伝』に散りばめられた秀麗な詩は原文で読まないとニュアンスが伝わりにくい一方、史実を元にした『三国志演義』の分かりやすさとおもしろさは世界共通です。


史実は小説よりも奇なり。曹操軍に囲まれ進退窮まった関羽が張遼の説得を受け一旦は曹操に臣従し様々な恩寵を受けるも、旧恩を忘れることなく劉備の元に再び帰っていく姿は泣けます。




(日本語でも読めますぞ)


さて、清代の文人、毛宗崗が注釈を加えた三国志演義が以前からずっとおもしろいと思っていて、文字の大きな読みやすい本がないかと探していたのですが、注釈は三国志演義の本文よりも粗略にされがちなので、ロクな本がありませんでした。


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あるのは知ってました。でも値段は高いは中国の古書売買サイトでないと買えないわで、ずっと眺めているだけだった本です。


「おおっ、みやびやなー(悲)」


なんと、今回たまたま日本の古書店で買うことができました。

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全39冊なので写真は四分の一の分量です。

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